世界で水不足が深刻化、節水努力が急務 国連報告書

ユネスコのサイト・・・ World Water Development Report
今回の報告書では、以下の4つの点が指摘されています。(上記記事からの引用)

1.食糧需要増と水消費量

人口増加と肉食が増えることにより、2050年までに食糧需要は約70%増加する。現状を元にした試算では世界の農業の水消費量は20%近く増加する。現在、農業で使われる水の量は水消費量全体の約70%だが、先進国では44%、最も開発が遅れる途上国では90%以上と、大きな差がある。

2.地下水資源の枯渇と水管理の重要性

帯水層(地下水を含む岩や土の層)からの取水量はこの50年間で少なくとも3倍に増え、現在では飲料水全体の約半分を占めている。報告書によれば、「再生不能な地下水資源がすでに限界に達している深刻な地域もある」という。報告書は、水管理の徹底的な見直しと相当な節水努力が必要だとし、かんがいシステムの改善、より少ない水で育つ農作物の導入、トイレ用水への生活雑排水の使用などを挙げている。

3.気候変動のコスト

気候変動が引き起こす水問題対策にかかる費用は、2020~50年の間で年間137億ドル~192億ドル(約1兆1300億~1兆5800億円)に達する。この金額は、地球の平均気温上昇を2度未満に抑えるとした国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)締約国会議での仮定に基づいて計算されている。

4.安全な飲料水の確保

約25億人がいまだに不衛生な環境に暮らしており、この点で2015年を期限とする国連ミレニアム開発目標UN Millennium Development Goal)を達成できない可能性が高い。一方、先週の国連の発表によれば、安全な飲料水の確保の目標は達成される見込み。