最近のFAO(世界食糧機関)のレポートによると、主要4穀物の収量(生産性)が、揃って大幅に低下しています。
上の最初のグラフは、世界の1960年から2009年までの主要4穀物(トウモロコシ、米、小麦、大豆)の単位面積あたりの収穫量の推移です。
2010年のデータはまだ発表されていませんが、同じ傾向が続いていると考えられます。
原因として考えられるのは、温暖化といった根本的な気候変動と、新しい農地の生産性が低いことです。
上の二番目のグラフは、世界の1960年から2009年までの主要4穀物(トウモロコシ、米、小麦、大豆)の農地面積の推移です。
小麦はほぼ一定ですが、その他のトウモロコシ、米、大豆は、食糧生産の増加の為に農地面積が拡大しています。
このように、生産量を増やすために追加された農地の生産性が、これまでに比べて、かなり低いのではないかということが、推測されます。
FAOは、今後の食糧の需要増加に対応するためには、穀物の収量(生産性)を2050年までに、現在の水準から70%拡大する必要があると試算しています。
低下に転じてしまった現在の穀物の収量(生産性)を見ると、それは、殆ど不可能な目標に見えます。