エジプトの騒乱と原油輸出の関係

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TODのGail the Actuary 氏が、エジプトの騒乱の背景を、原油輸出の減少と食糧輸入の増大の点から、解説しています。


上の最初のグラフは、エジプトの原油の需給と輸出入の推移です。
国内消費量の増加によって、緑色で表されている正味の輸出量が、1990年代半ばから急減し、現時点では、純輸入国に転落する寸前まで来ています。

二番目のグラフは、エジプトの天然ガスの需給と輸出入の推移です。
エジプト政府は、原油に代わって、天然ガスの生産拡大に乗り出して、2000年代半ばから、輸出量を拡大しましたが、やはり、国内消費量の増加によって、現在は、伸びが止まって頭打ちになっています。

三番目のグラフは、エジプトの人口の推移です。
毎年、2%程度増加して、30年前の約二倍となり、その傾向は、現在も、右肩上がりで、続いています。

エジプトは、これまで、原油天然ガスの輸出とスエズ運河の通行料が外貨獲得の主な手段で、この外貨で食糧を輸入して来ました、

国内消費の増加で、原油天然ガスの輸出が減少し、景気後退でスエズ運河の通行料も減少している中で、人口増加で食糧輸入が拡大すると、財政が破綻する可能性があり、これが、現在の騒乱の原因にも繋がっているようです。