商品循環 第90回 貴金属価格指数(実質)の作成と分析

【直近の履歴】

前回は、プラチナの実質価格を計算して、 長期的な分析を行いました。
今回は、 金、銀、プラチナの実質価格を総合して貴金属価格指数を作ってみます。

1.手順

 貴金属価格指数を作る手順は、以下のとおりです。

(1)個別商品の実質価格の計算
(2)実質価格の前年同月比の計算
(3)重み付けの決定
(4)加重前年同月比の計算
(5)貴金属価格指数の計算

2.個別商品の実質価格の計算

 前回までに計算した 金、銀、プラチナの実質価格を利用します。

3.実質価格の前年同月比の計算

上記で求めた個別商品の実質価格の前年同月比を、計算します。

4.重み付けの決定

 全期間に渡って、重み付けを以下のように設定しました。 

金(50%)
銀(25%)
プラチナ(25%)
 
5.貴金属価格指数の計算

  ドルと金が交換停止された1971年の貴金属価格指数の初期値を100とします。
  1972年以降は、加重前年同月比を前年の指数に乗じた値を、当年の価格指数として、2010年まで求めていきます。

6.貴金属価格指数(実質)の推移

  上記で求めた貴金属価格指数(実質)の推移をグラフ化すると以下のとおりです。
イメージ 1

6.貴金属価格指数(実質)のブレイクポイント

 1971年・・・100.00
 1974年・・・251.58でブレイクするとともに、この時期のピークを付ける 
 1980年・・・627.40でブレイクするとともに、この時期のピークを付ける
 2010年・・・487.57

1974年のピークは、金とドルとの交換停止後の価格上昇によるもので、循環的なピークでは無いと考えられます。
貴金属のデータは、他の商品と比べて、得られるデータの期間が短いのですが、1970年代の以降のデータを見る限り、他の商品よりも、上下の変動幅が小さく、また、商品循環との連動性が高いように思えます。

7.データ保存先 

今回、作成したデータは、SkyDriveに保存しておきました。 
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 noble_metal_price.xls を参照してください。

次回からは、銅やアルミニウムなどの産業金属の実質価格の推移を求めてみたいと思っています。