商品循環 第99回 2012年までの金属価格指数の取得

【直近の履歴】

前回は、1866年から2012年までの農産物価格指数を取得しました。
今回は、前回と同様の手順で、2012年までの金属価格指数を求めてみます。

1. 金属価格指数の求め方

これまで、金属に関しては、貴金属価格指数と産業金属価格指数の二種類を計算しました。
今回、 商品価格指数(実質)を求めるに当たって、考え方を簡素化するために、貴金属と産業金属の区別をなくして、最初から金属価格指数のみを計算することにします。

2.IMFデータ

IMFの以下のサイトには、直近の2ヶ月と4四半期ならびに過去3年間の年平均の商品価格が載っています。


2012年の銅やアルミニウムなどの産業金属価格は、この、IMFデータの月次と四半期のデータから計算して取得することにします。

3.KITCO

IMFのデータには、金、銀、プラチナの貴金属の価格が載っていないので、これらのデータは、KITCOのサイトからLME市場価格を取得します。

kitco chart より Historical gold, silver, platinum を選択。

4.金

1833年から2011年までの金の名目価格(1トロイオンス当たりの平均価格)は、以下のサイトから得られます。

HISTORICAL GOLD PRICES- 1833 to Present

2012年の金価格は、KITCOのサイトから取得します。


5.銀

1900年から1998年までのNY銀価格は、USGSの以下のサイトから得られます。


また、以下のサイトでは、1970年から2010年までのロンドンLMEの金価格を、ドル換算した価格が得られます。


従って、1900年から1969年までは、最初のNY銀価格を取得し、1970念から2010年までは、二番目のLME銀価格を取得します。

さらに、2011年から2012年までは、KITCOのサイトから取得します。


6.プラチナ

以下のサイトに、1960年から2010年までのプラチナの名目価格が載っているので、これを利用します。


さらに、2011年から2012年までは、KITCOのサイトから取得します。


7.銅

銅の名目価格は、以下の各サイトから取得しました。

1850年~1998年・・・USGS Annual Average U.S. Producer Copper Price
1999年~2009年・・・USGS COPPER STATISTICS1 (データ範囲は、1900年~2009年)
2010年~2012年・・・IMF Primary Commodity Prices

8.アルミニウム

アルミニウムの名目価格は、以下のサイトから取得しました。

1895年~1899年・・・Annual Average Primary Aluminum Price
1900年~2010年・・・ALUMINUM STATISTICS1 U.S. GEOLOGICAL SURVEY 
2011年~2012年・・・IMF Primary Commodity Prices

9.鉛

鉛の名目価格は、以下のサイトから取得しました。

1909年~1998年・・・Annual Average Lead Price (USGS,dollar/pound)
1900年~2009年・・・LEAD STATISTICS1 U.S. GEOLOGICAL SURVEY  (USGS,dollar per ton)
2009年~2012年・・・IMF Primary Commodity Prices

11.亜鉛

亜鉛の名目価格は、以下のサイトから取得しました。

1875年~1998年・・・Annual Average Zinc Price (USGS,dollar/pound)
1900年~2010年・・・Zinc STATISTICS1 U.S. GEOLOGICAL SURVEY  (USGS,dollar per ton)
2009年~2012年・・・IMF Primary Commodity Prices

12.重み付けの設定

各商品の重要度に基づいて、各年毎の重み付けを以下のように、決定しました。

1850年~1875年・・・銅(100%)
1876年~1894年・・・銅(70%)、亜鉛(30%)
1895年~1900年・・・ 銅(40%)、アルミニウム(40%)、亜鉛(20%) 
1901年~1971年・・・ 銅(35%)、アルミニウム(35%)、鉛(15%)、亜鉛(20%)   
1972年~2012年・・・金(16%)、銀(10%)、プラチナ(10%)、銅(22%)、アルミニウム(22%)、鉛(10%)、亜鉛(10%) 

13.金属価格指数の計算

1850年の金属価格指数の初期値を100とします。
1851年以降は、上記の加重前年同月比を前年の金属価格指数を乗じた値を、当年の金属価格指数として、2012年まで求めていきます。

14.金属価格指数(実質)の推移

 上記で求めた金属価格指数(実質)の推移をグラフ化すると以下のとおりです。

イメージ 1

15.データ保存先

今回、作成した金属価格指数(実質)のデータは、SkyDriveに保存しておきました。

ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 metal_idx_toDatex.xls を参照してください。

次回は、これまで得られたデータから商品全体の実質価格指数を求めてみようと思います。