JOGMECが、ロンドンで開催された『国際鉱業投資会議』についてリポートしています。
ロンドン市場における鉱業関連企業の資金調達の動向が分かって、興味深い内容です。
ロンドン市場における鉱業関連企業の資金調達の動向が分かって、興味深い内容です。
・Ernst & Youngの鉱業部門長Michael Lynch-Bell氏は、「需要は必ず回復するため、現在の需要減少よりもむしろ、供給不足になることを懸念すべき」と指摘した。
・2009年夏以降、金属価格の回復と今後の需要の増大を予想し、メジャー企業は、生産を拡張させる計画を次々と発表し始めた。
・他方、探鉱活動においては、回復の動きが徐々に現れているものの、本格化にはほど遠い状況である。
・2009年の探鉱予算水準は『一部の企業以外は、探鉱プロジェクトの再開までの資金的余裕が無い状況』と解釈できる。
・Ernst & YoungのLynch-Bell氏は、「2008年は、鉱業界の借金の山」と評する。同氏の講演では、厳選した鉱山関連上場企業63社の財政動向が分析された。
・その36企業の負債総額を年度で比較すると、1980~2003年は年率平均5.2%増であるが、2003~2008年は25%増と急増している。
・IFCのBackes氏は、「2008年下期以降は銀行の貸し渋りにより、融資市場の動きは極めて鈍い状況が続いている。
・依然としてメジャー企業ですら融資資金へのアクセスは困難な状況である。
・上記のようにデット・ファイナンスによる資金調達は困難であるため、AMBRIANのRichard Chase氏(Managing Director)は、エクイティ・ファイナンス、特にロンドン市場での資金調達の重要性を強調する。
・Lynch-Bell氏は、「デット・ファイナンスへのアクセス困難、そして売り側の拒否姿勢から、現在もM&A取引は容易ではない。しかしながら、国家投資ファンドや民間資本等の他の資金アクセス方法もあるため、様々な動機要因からも、今後もM&A取引は増加するであろう」と楽観的に予想していた。
・IFC(国際金融公社)のBackes氏の講演によれば、2008年のAIM上場企業の約64%がアフリカを中心に鉱業活動を行っている。
・例えば、ボツワナ、チリ、南ア、ガーナは安定した政治ガバナンスを保持しているのに対して、ギニア、DRCコンゴでは社会秩序が悪化し、その上、税金や財政条件、鉱業権の見直し等の強制的な変革が強いられている。
・Ernst & YoungのLynch-Bell氏は、「景気刺激策の効果は続いており、今後もエクイティ・ファイナンス、そして、国家ファンド及び民間資本投資が成長していく」と予想していた。
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依然、銀行融資の回復は望めないものの、鉱山企業の株式発行による資本市場での資金調達は、非常に活発化しているようです。
そして、やはり、中国による国家的な投資活動は目だっており、投資先として、アフリカが注目されているとのことです。
そして、やはり、中国による国家的な投資活動は目だっており、投資先として、アフリカが注目されているとのことです。