ロシア 鉛ビスマス型高速増殖炉 SVBR-100

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上の図は、ロシアで開発中のSVBR-100と呼ばれている高速増殖炉の原理図です。

このSVBR-100は、冷却材として、鉛ビスマス合金を使った小型の原子炉で、2020年の商業運転を目指しています。

TODで、このユニークな原子炉について解説している記事が有りました。
Russia's Unique SVBR-100 Nuclear Reactor

高速増殖炉は、世界各国で開発中で、日本の「もんじゅ」のように、その多くは、冷却材にナトリウム金属を使用しています。
しかし、ナトリウムは水と反応して発火する危険性が高く、実際に事故が多発しているために、多くの国で高速増殖炉の開発が停滞しています。

一方、鉛ビスマス合金を使った原子炉は、運転時の安全性が高く、長寿命であると言われています。
また、核拡散防止や廃炉の処分についても、優位性を持っています。

ビスマスは、高温で腐食性が高くなることから、大型の原子炉には不向きですが、逆に小型の原子炉を多数作る事によって、耐震性に優れた安定した発電システムを構成することが可能です。

このような、小型の高速増殖炉の開発は、一気にエネルギー問題を解決するポテンシャルを持っているので、今後の動向を注目していきたいと思います。

東京工業大学原子炉工学研究所の高橋実助教授が、分かり易いレポートを書かれています。
鉛重金属冷却高速炉の研究開発の現状と展望