検証システム 第31回 ノーズタイブのロジック展開


今回は、ノーズタイブの発生を検出する為のロジックを考えてみます。

【ノーズタイブの定義】

ノーズタイブを言葉で定義すると以下のようになります。

「米国経済の景気後退入りの直前から景気後退期間中において、米国債の3ヶ月債の金利が長期的な下落トレンドに入り、その中で、最も、低い金利に到達した日をノーズタイブと呼ぶ。」

【ロジック展開】

1.「景気後退入りの直前から景気後退期間中」

これまでの検証で、逆イールドが検知された場合、平均して10.7ヶ月後に景気後退に入ることが分かりました。

従って、90日移動平均金利の逆イールドを検知したタイミングで、ノーズタイブの監視を開始すれば、良いことになります。

2.「米国債の3ヶ月債の金利が長期的な下落トレンドに入り」

金利のトレンドは、90日移動平均で求められます。
この移動平均金利よりも、日次の金利が低い位置にあって、それが、一定期間(※n日間)、連続すれば、上の条件に合致すると考えられます。

具体的には、ノーズタイブの監視期間中に、以下の条件がn日間以上、連続して、成立すれば、金利の下落トレンドに入っていると判断します。

●日次金利 - 移動平均金利 < 0

※nの値は、過去のデータで検証してから、決定することにします。

3.「最も、低い金利に到達した日」

金利の下落トレンドに入って、n日間以上経過後に、以下の条件が成立した場合、下落トレンドが終了したと判定します。

●日次金利 - 移動平均金利 ≧ 0

金利の下落トレンドの開始日から終了日の間で、最も日次金利が低かった日を、ノーズダイブ発生日と決定します。

【検証】

次回からは、1960年代からの実際の金利データに上のロジックを適用して、ノーズタイブが景気や株価の底を予測する上で、有効な基準かどうかを検証して行きます。