検証システム 第14回 逆イールドと株式売却タイミング(2)

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前回、逆イールドを検知してから、株式を売却するタイミングについて、以下の条件について検証しました。
1.逆イールド検知と同タイミング
2.逆イールド検知の4Q後

今回は、残りの2つの条件で検証してみます。

3.下落トレンドを検知してから売却
4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却

図1 逆イールド発生前後のS&P500指数を抽出するクエリ

まず、Accessのクエリを新しく作成して、逆イールド発生前後のS&P500指数データを抽出します。

手順1・・・新規に選択クエリを作成して、S&P500テーブルを追加する。
手順2・・・S&P500テーブルから取引日をドロップする。
手順3・・・上の取引日を、昇順に並び替えて、表示をチェックする。さらに、抽出条件として、逆イールド発生日の前後一年間を指定する。画面の例では、逆イールドが1989年2月1日に発生しているので、>#1988/02/01# And <#1990/02/01#と入力する。
手順4・・・S&P500テーブルから指数をドロップして、表示をチェックする。

図2 Excel形式でエクスポート

上で作成したクエリを開いて、データをExcel形式でエクスポートします。

図3 Excel

上でエクスポートしたExcelを開くと図のようになっています。

図4 移動平均の計算

手順1・・・Excelの三番目の列に45日移動平均を計算する式を入力して、同じ列の全部のセルにコピーします。例えば、C列46行には、=SUM(B2:B46)/45 と入力します。

手順2・・・Excelの四番目の列に、当該行の移動平均と一つ前の行の移動平均の差を求める式を入力して、同じ列の全部のセルにコピーします。例えば、D列47行には、=C47-C46 と入力します。

手順3・・・逆イールドを最初に検知した日(図では、1989年2月1日)を起点として、それ以降で、初めて移動平均の差がマイナスになった日、すなわち、トレンドが下向きになった日を探します。
ノイズを排除するとめに、移動平均の差がマイナスになった日が4日連続した場合に、その日を、マイナストレンドを確認した日とします。図の例では、1989年10月18日がその日となります。

図5 単純平均の計算

上記のExcelで、最初に逆イールドを検知した日から1年後の日までの、株価指数の単純平均を計算します。上の例では、B列508行に=AVERAGE(B256:B507)と入力しています。

上の手順で実際のデータから求めた結果は以下のとおりです。

【3.下落トレンドを検知してから売却】

逆イールド発生日→マイナストレンド確認日→マイナストレンド確認日の株価指数→ピーク時の株価指数→ピークからの乖離率
1989年2月1日→1989年10月18日→341.76→368.95→-7.4%
2000年4月7日→2000年5月24日→1399.05→1527.46→-8.4%
2006年7月17日→2006年7月20日→1249.13→1565.15→-20.2%

平均乖離率:-12.0%

2006年7月17日の逆イールド検知後のマイナストレンド確認が誤っているので、乖離率が悪くなっています。

【4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却】

逆イールド発生日から一年後の日までの株価指数の単純平均→ピーク時の株価指数→ピークからの乖離率
327.77→368.95→-11.1%
1384.10→1527.46→-9.3%
1409.56→1565.15→-9.9%

平均乖離率:-10.1%

次回は、これらの結果をまとめて、考察したいと思います。