前回、逆イールドを検知してから、株式を売却するタイミングについて、以下の条件について検証しました。
1.逆イールド検知と同タイミング
2.逆イールド検知の4Q後
1.逆イールド検知と同タイミング
2.逆イールド検知の4Q後
今回は、残りの2つの条件で検証してみます。
3.下落トレンドを検知してから売却
4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却
4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却
図1 逆イールド発生前後のS&P500指数を抽出するクエリ
まず、Accessのクエリを新しく作成して、逆イールド発生前後のS&P500指数データを抽出します。
手順1・・・新規に選択クエリを作成して、S&P500テーブルを追加する。
手順2・・・S&P500テーブルから取引日をドロップする。
手順3・・・上の取引日を、昇順に並び替えて、表示をチェックする。さらに、抽出条件として、逆イールド発生日の前後一年間を指定する。画面の例では、逆イールドが1989年2月1日に発生しているので、>#1988/02/01# And <#1990/02/01#と入力する。
手順4・・・S&P500テーブルから指数をドロップして、表示をチェックする。
手順2・・・S&P500テーブルから取引日をドロップする。
手順3・・・上の取引日を、昇順に並び替えて、表示をチェックする。さらに、抽出条件として、逆イールド発生日の前後一年間を指定する。画面の例では、逆イールドが1989年2月1日に発生しているので、>#1988/02/01# And <#1990/02/01#と入力する。
手順4・・・S&P500テーブルから指数をドロップして、表示をチェックする。
図2 Excel形式でエクスポート
上で作成したクエリを開いて、データをExcel形式でエクスポートします。
図3 Excel
上でエクスポートしたExcelを開くと図のようになっています。
図4 移動平均の計算
手順1・・・Excelの三番目の列に45日移動平均を計算する式を入力して、同じ列の全部のセルにコピーします。例えば、C列46行には、=SUM(B2:B46)/45 と入力します。
手順3・・・逆イールドを最初に検知した日(図では、1989年2月1日)を起点として、それ以降で、初めて移動平均の差がマイナスになった日、すなわち、トレンドが下向きになった日を探します。
ノイズを排除するとめに、移動平均の差がマイナスになった日が4日連続した場合に、その日を、マイナストレンドを確認した日とします。図の例では、1989年10月18日がその日となります。
ノイズを排除するとめに、移動平均の差がマイナスになった日が4日連続した場合に、その日を、マイナストレンドを確認した日とします。図の例では、1989年10月18日がその日となります。
図5 単純平均の計算
上記のExcelで、最初に逆イールドを検知した日から1年後の日までの、株価指数の単純平均を計算します。上の例では、B列508行に=AVERAGE(B256:B507)と入力しています。
上の手順で実際のデータから求めた結果は以下のとおりです。
【3.下落トレンドを検知してから売却】
逆イールド発生日→マイナストレンド確認日→マイナストレンド確認日の株価指数→ピーク時の株価指数→ピークからの乖離率
1989年2月1日→1989年10月18日→341.76→368.95→-7.4%
2000年4月7日→2000年5月24日→1399.05→1527.46→-8.4%
2006年7月17日→2006年7月20日→1249.13→1565.15→-20.2%
1989年2月1日→1989年10月18日→341.76→368.95→-7.4%
2000年4月7日→2000年5月24日→1399.05→1527.46→-8.4%
2006年7月17日→2006年7月20日→1249.13→1565.15→-20.2%
平均乖離率:-12.0%
2006年7月17日の逆イールド検知後のマイナストレンド確認が誤っているので、乖離率が悪くなっています。
【4.逆イールド検知から4Q後に平均的に売却】
逆イールド発生日から一年後の日までの株価指数の単純平均→ピーク時の株価指数→ピークからの乖離率
327.77→368.95→-11.1%
1384.10→1527.46→-9.3%
1409.56→1565.15→-9.9%
327.77→368.95→-11.1%
1384.10→1527.46→-9.3%
1409.56→1565.15→-9.9%
平均乖離率:-10.1%
次回は、これらの結果をまとめて、考察したいと思います。