検証システム 第27回 逆イールドに関するまとめ

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上のチャートは、逆イールドの形となっている2006年11月13日終了時点の米国債イールドカーブです。


今回は、前3回までの逆イールドに関する検討結果を、まとめてみます。

1.米国債イールドカーブによる逆イールドの検出は、景気後退の先行指標として有効である。

【統計値】
・景気後退を予測して的中する確率:100%
・景気後退を見逃す確率:0%
・平均先行期間(既発債):5.8ヶ月
・平均先行期間(変動利付き債):10.7ヶ月

【前提条件】
・3ヶ月債の金利として、1954年~1981年は、流通市場の既発債の金利を適用し、1982年以降は、変動利付き債の金利を適用する。
・10年債は、全ての期間で、変動利付き債の金利を適用する。
金利は、90日移動平均を計算して、イールドカーブを求める。
・戦争による軍需の拡大などで、大規模な需要追加が確実に予想される場合は、逆イールドが検出されても、これをノイズと見なす。


2.米国債イールドカーブによる逆イールドの検出は、株式売却タイミングの指標として有効である。

【売却方法】
・逆イールドを検知した日から、2Q(半年)に渡って、平均的に売却する。

【期待されるパフォーマンス】
・株価のピークからの乖離率:-9.4%
標準偏差:1.92

【前提条件】
・1.の前提条件と同じ


3.米国債の日次の金利による逆イールドの検出も、景気後退の先行指標として有効である。

【検出方法】
・日次の金利で逆イールドを検知した場合、当該日から、一ヶ月間、監視を続ける。
・翌月の同日に、逆イールドが継続していなかった場合→ノイズと見なして監視終了
・翌月の同日に、逆イールドが継続していた場合、逆イールド検知年月の新築住宅販売のトレンドとISM製造業業況指数のPMIを調べる。
・新築住宅販売のトレンドが下向き、または、ISM製造業業況指数のPMIが50未満のとき→景気後退入りと判断する。
・上記以外は、翌月に再度、同じ判定を行う。

【前提条件】
・3ヶ月債の金利として、1954年~1981年は、流通市場の既発債の金利を適用し、1982年以降は、変動利付き債の金利を適用する。
・10年債は、全ての期間で、変動利付き債の金利を適用する。
・日次終了時の金利を取得して、イールドカーブを求める。
・戦争による軍需の拡大などで、大規模な需要追加が確実に予想される場合は、逆イールドが検出されても、これをノイズと見なす。

【注意点】
・この方法では、市場金利に織り込み済みのファンダメンタルズ要素を、二重で評価するので、適正さに欠ける点がある。
・従って、日次金利の逆イールドによる予測は、補完的なものとして捉えるべきで、正式な景気後退の予測は、移動平均金利の逆イールドで行うべきである。

次回は、サーバー側のシステムに新しく追加したS&P500指数の管理機能を説明します。