・このうち、リグノ
セルロース系
バイオマスは、
セルロースを覆い抽出の妨げになっているリグニンの除去、難分解性
セルロースの糖化(高分子多糖類を低分子化、単糖化し微生物が利用しやすいようにすること)、使用する硫酸などの薬品の処理などが大きな壁になり、広がりがみられない。
・海藻は一部食料として利用されるものはあるが、ほとんどは食料としての利用はなく、
エタノール原料としては手つかずの
バイオマスといえ、近年、各方面で盛んに研究がなされている。
・ただし、緑藻、褐藻、紅藻の大型海藻全体を見渡した場合、資源量はコンブやワカメ、
ホンダワラなどが属する褐藻が圧倒的に多い。
・しかし褐藻は、残念ながら緑藻と異なり、炭水化物として
セルロース系多糖も含むが、マンニトール、ラミナラン、アルギン酸など、複雑な成分を含んでおり、
エタノール発酵は困難とされ、実用化が遅れている。
・
発電所の取水口に集まる海藻は主に春はマコンブ、夏は
ホンダワラ、秋はアマモなどのように季節により変化する。集まった海藻はゴミであり、産業廃棄物として有償で引き取られ、処分されている。
・前処理で多くのエネルギーを必要とする乾燥や微粉末化を省略したことでエネルギー収支を大幅に改善させた。
・複雑な海藻成分を複数の微生物を利用して
エタノール発酵させた。
・この方法で、生マコンブ1kgから22gの
エタノール製造を確認しており、試験管レベルながら高効率的な
エタノール製造技術と言える
・今後は、マコンブからの
エタノール発酵のスケールアップを図るとともに、
再生可能エネルギー生産を推進するために、
エタノール発酵に適した海藻の探索と養殖、より効率的な発酵微生物の探索や、培養条件、精製方法などの検討を進めることが必要と考える。