北極海の石油・天然ガス開発に悲観的な見方が拡がる

ドイツのシュピーゲル紙から、北極海の石油・天然ガス開発に悲観的な見方が拡がっているというニュースです。


スコットランドのCairn Energy社が、昨年の10月に行ったグリーンランド西岸での試掘の結果を公表しました。

・3回の試掘のうち、2回は、完全な失敗で、残りの1回もテスト途中で異常終了しました。

・発表の後、同社の株価は一日で7%も下落しました。

・同社は、この試掘で、1億8000万ユーロ(2億4600万ドル)の損失の償却が必要になりました。

・現在、同社以外の複数の会社が、北極海の資源探査に乗り出しています。

・USGSの科学者もグリーンランド北東部の油田の開発費用を算出しています。

・そこには、75億バレルの石油が埋蔵されていると算出されました。

・しかし、経済的に掘削可能な量は、それほど多くはありません。

・1バレル100ドル超の原油価格が続いた場合でも、たった、25億バレルの算出が可能なだけです。

・もし、1バレル300ドルに達したとしても、41億バレルに留まります。

・メキシコ湾での原油流出事故を受けて、北極海の油田開発が環境に与える悪影響を懸念する声が高まっています。

・EU議会は、北極海の沿岸国に対して、石油会社の開発を十分に規制することを求めています。

・これらの障害を乗り越えて、北極海の油田探査に乗り出すメリットが、石油会社にとっては、徐々に薄れてきました。

・ただし、米国やロシア、グリーンランドの政府は、まだ、希望を持っています。

・シェルとサトイルは、もう直ぐ、グリーンランド西岸の資源探査に乗り出す計画です。