サウジの重質油の開発プロジェクト

ウォールストリートジャーナル日本版から、サウジの重質油の開発プロジェクトに関するレポートです。


・「イージーオイル(開発・生産が容易な油田)」が枯渇し始めるなか、サウジはより難しい油田――砂漠の地下に存在する数十億バレルの重質油――に注目している。

・米地質調査所によると、世界には、約3兆バレルと、現在のペースで消費を続けた場合の約100年分の重質油が存在する。問題は、現在の技術では、そのうちの一部、約4000億バレルしか回収できないことだ。

・サウジのワフラの粘着質の原油を回収するためには、地中に蒸気を入れ、原油を温めて粘着度を低下させることで、地表へと流れやすくする。この技術は、難度が高いうえにコストがかかり、ワフラ油田の岩盤への適合性もまだ証明されていない。

・サウジは、このプロジェクトの半分について、米石油大手シェブロンに協力を求めた。シェブロンがワフラ油田の一角で行っているのは、4年間で3億4000万ドルものコストがかかる壮大な実験だ。

シェブロンのサウジのオペレーション・マネジャー、ビル・ヒッグス氏は、試験段階から全面開発への移行に必要になる多額の投資が妥当か、まだ検討中だと述べた。

・しかし、ヒッグス氏は、海底油田探査に比べれば、まだ有利だと主張する。「石油のある場所はわかっている。それは疑いようのない事実だ。だから問題は、いかに生産の経済性を上げるか、ということだ」と述べた。

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サウジには、安価に掘削できる陸上油田は、既に残っていないようです。
今日も、サウジがガワールで、シェールガスなどの非在来型の天然ガスの開発に取り組むとのニュースが流れていました。
Aramco Searches for Unconventional Gas in Northwest, Ghawar