非在来型ガス開発の展望とLNG需給への影響 (JOGMEC)

イメージ 1

ここ数年の非在来型ガス(シェールガス、CBM<炭層メタンガス>、タイトサンドガス)の生産の拡大によって、世界のガス需給に対する見方が変わってきています。

上のグラフは、ドイツのシュルンバーガーがまとめた、地域別の非在来型ガスの資源量です。
横軸は、左から南北アメリカ大陸、東西ヨーロッパ、旧ソ連地域、中東・北アフリカサブサハラ、中国に分かれて、縦軸は、TCF(1 兆立方フィート)で天然ガス量を表しています。
天然ガスの種類は、水色がタイトガス、黄色がCBM、赤茶色がシェールガスです。

このように地域によって種類は異なりますが、大量の非在来型ガス資源が残されていることが分かります。

JOGMECは、このような、各地域の非在来型ガス開発の展望とLNG需給への影響について、レポートをまとめて、公表しています。


【目次】
1.北米の非在来型ガス生産の現状、見通し
2.非在来型ガス生産の可能性が世界各地に拡大
3.中国の非在来型ガス生産の現状、見通し
4.インドの非在来型ガス生産の現状、見通し
5.インドネシアの非在来型ガス生産の現状、見通し
6.非在来型ガス生産が世界LNG需給に与える影響

【ポイント】
北米のガス生産は、2 0 1 0 ~ 2 0 1 1 年は低価格のLNG輸入の増加で若干減少するものの、経済回復とともに緩やかに増加すると想定されている。
生産増加を担うのはシェールガス、タイトサンドガスなど非在来型ガスであって、在来型ガスの生産は漸減する見込みである。
2 0 0 8 年時点で5 0 %を下回った在来型ガスの比率は、2 0 2 0 年時点では3 0 %以下に減少すると予測されている。

非在来型ガス資源のなかでシェールガス開発は、北米以外では欧州(ドイツ、フランス、ポーランド等)で検討が開始されようとしている。一方CBMは、世界各地に広がる多くの石炭産出国に開発可能性がある。豪州クイーンズランド州では、既に地元発電需要向けに商業生産が行われており、さらに多くの輸出用LNG案件が計画されている。

エネルギー需要拡大が見込まれるアジアでは、中国、インドが2 0 0 7 ~ 2 0 0 8 年に既にCBM商業生産を開始している。インドネシアでは2 0 0 8 年に初めてのCBM探鉱・開発にかかわるPS契約が締結され、政府と国有石油企業PertaminaはCBM開発に対して積極的な企業誘致を行っている。