JOGMECが、ロシアの非在来型石油資源開発について、レポートしています。
・非在来型資源の取り組みが世界的に進む中、ロシアも超重質油、タイトオイルへ本格的に取り組む。
・ロシアの重質油・ビチューメンは、主にボルガ=ウラル中央部のTatarstan、ティマン=ペチョラ南西部Ukhta 近隣、及び東シベリアのOlenek に分布し、埋蔵量はUSGS によれば471 億バレルある。
・超重質油の輸出税は、7 月1 日から、通常の原油の輸出税の10%という優遇措置が開始されている。
・ロシアにおけるタイトオイルとして最も期待されているのは西シベリアのBazhenov 層であり、ExxonMobil の参加を受けてRosneft が、Shell の参加を受けてGazpromNeft が2013 年から掘削を開始する。また、北コーカサスのKhadum 層ではStatoil の参加を受けてRosneft が調査をする。
・タイトオイルに対する優遇税制も現在検討中である。
・これらの生産量は、重質油・ビチューメンが年産60 万t、タイトオイルが40 万t と、在来型に比較して0.2%に満たない微々たるもので、現状では影響力は殆どないものの、今後の10 年の展望で見ると、必ずや生産量で大きな貢献を果たすものと思われる。
・この背景には、西シベリアの減退に代表されるロシアにおける石油生産の頭打ちがあり、米国での成功に刺激され、生産量の引き上げに躍起となっている点がある。
・非在来型ガス鉱床に関しては、Gazprom がKuzbass 炭田でCBM 事業に取り組んでいる。
・ロシアにおける非在来型石油資源開発は、既往の油田地帯で展開され、パイプラインを始め既にインフラが十分完備していることが強味である。西シベリア地域は「第2 の石油人生」を全うできる。