トヨタと神戸大学 低コストでバイオエタノールを製造する技術を開発

トヨタ神戸大学が、ガソリン並みのコストで非食系のバイオエタノールを製造する技術を開発したというニュースです。

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トヨタ自動車神戸大学は稲わらなど非食糧系の植物からバイオ燃料を効率よく生産する技術を開発した。生産コストは従来の3分の1で、製造費はガソリン並の1リットル当たり40円が実現できるという。

バイオ燃料は植物を「セルラーゼ」という酵素で分解した後に酵母菌で発酵してつくるが、トヨタなどは遺伝子組み換え技術を使って、分解と発酵を同時にこなす酵母菌を新たに開発した。

「イオン液体」という特殊な液体に浸して酵母菌を入れれば、酸素を加える必要がなくなり生産コストが大幅に下がる。

トヨタなどは新技術の特許を出願。今後の実用化にむけた研究開発費用は、経済産業省から支援を受ける。

バイオ燃料はCO2を吸収して育つ植物が原料であることから、燃やしてもCO2の排出がゼロとみなされる。
日経新聞
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この技術は、月桂冠が開発しているスーパー酵母菌を使った方法と基本的には同じですが、以下の点が注目されます。

・「イオン液体」という特殊な液体に浸して酵母菌を入れることによって、酸素を加える必要がなくなり生産コストが大幅に下がる。

もし、現在のガソリン並みの製造費でバイオエタノールが製造できれば、今後、原油価格が上昇したときに、強い競争力を持つことが予想されます。

特に、稲ワラのような農業廃棄物を原料とするため、米や小麦、トウモロコシなどの穀物生産の収益力が飛躍的に伸びる可能性があります。