1.前回のまとめ
2.長期金利
以下のグラフは、1987年1月から1991年12月の日本の長期金利の推移です。
各月の月末の利回りをプロットしたものです。
データ源泉:HSCI
1980年代後半は、バブル景気が加熱した時期で、長期金利も、4%台から徐々に切り上がり、1回目のピークは、1987年9月に、6.307%を付け、一旦、4%台後半に低下した後、1990年9月に、8.105%で2回目のピークを付けた後に、バブル崩壊が崩壊し、景気後退によって、長期的に下落を続けていきました。
3.新規住宅資金貸付額
1回目のピークは、1988年1Qに2兆6537.5億円で、2回目のピークは、1989年4Qに2兆8665.25億円で付けた後、右肩下がりで、2兆円を下回って行きました。
一見すると、長期金利のグラフと似た形状ですが、1回目のピークのずれが2Q、2回目のピークのずれが3Qと、2回目の方が大きくなっています。
4.データポイント
次に、データの値で上の期間中の長期金利と新規住宅資金貸付額を比較してみます。
【長期金利】
1987年5月・・・3.78% 左側のボトム
1987年9月・・・6.307% 1回目のピーク
1988年12月・・・4.611% 中間のボトム
1990年9月・・・8.105% 2回目のピーク
1993年12月・・・3.413% 右側のボトム
【新規住宅資金貸付額】
1983年3Q・・・6919.5 左側のボトム
1988年1Q・・・26537.5 1回目のピーク
1988年4Q・・・23219.5 中間のボトム
1989年4Q・・・28665.25 2回目のピーク
1991年3Q・・・19128.25 右側のボトム
上のように、1回目のピークは、長期金利が2Q右側にずれていました。
当時の状況を時系列的に詳細に振り返ると、以下のようになります。
1988年8月の半ばの日銀の統計発表で、1回目の新規住宅資金貸付額のピークを確認。
↓
8月末時点の長期金利は、5.615%と直近のピーク(前年9月の6.307%)から1%弱低下。
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その後、1988年末には、長期金利は、4.611%まで低下。
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↓
1990年5月の半ばの日銀の統計発表で2回目の新規住宅資金貸付額のピークを確認。
↓
5月末時点では、長期金利は、6.263%と直近のピーク(同年3月の6.816%)から0.3%程度の僅かな低下に留まっていた。
↓
その後、長期金利は、急上昇して、2ヶ月後の7月末には、7.023%と5月末から約1%上昇。
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↓
さらに、2ヶ月後の9月末には、8.105%と、5月末からの約4ヶ月間で2%も上昇して、2回目のピークを付けた。
↓
翌1991年2月をピークに景気後退入り。