第73回 石炭の実質価格の長期的推移
第72回 天然ガスの実質価格の長期的推移
第71回 原油の実質価格の長期的推移
前回は、1947年から2010年の約60年間にわたる石炭の実質価格を計算して、その長期的推移を分析しました。
今回は、ウラン価格の長期的推移を調べます。
1.ウランの名目価格の推移
EIAの以下のサイトでは、1981年から2010年までの約30年間にわたるウランの輸入価格と国内価格を表示しています。
Uranium Overview, 1949-2010
このデータを使って、ウランの名目輸入価格の長期的推移をグラフ化すると、以下のようになります。
注)ウラン価格は、酸化ウラニウムの価格とする。
上のように、ウランの名目価格は、1980年代初頭の高値から約3分の1の価格で長期間低迷し、その後、2005年から上昇トレンドに入っています。
2004年から2010年の約5年間で、4倍程度の価格上昇となっています。
【ウランの名目価格のブレイクポイント】
1982年・・・32.9ドル
・・・
2007年・・・34.18ドルでブレイク
2010年・・・47.01ドルで直近のピークを付ける
2004年から2010年の約5年間で、4倍程度の価格上昇となっています。
【ウランの名目価格のブレイクポイント】
1982年・・・32.9ドル
・・・
2007年・・・34.18ドルでブレイク
2010年・・・47.01ドルで直近のピークを付ける
いつものサイトのCPIを使って、ウランの実質価格を再計算してみます。
Historical Value of U.S. Dollars
上のように、実質価格で見ると、現在のウラン価格は、上昇トレンドには入っていますが、1980年代初頭の半分強に留まっていることが分かります。
注)
2)データの範囲は、1981年から2010年です。
4.ウラン価格と商品循環の関係
ウランの場合は、データの範囲が、1981年以降と狭いので、過去最高値と商品循環の関係は、明確には捉えられませんでした。
しかし、原油や石炭と同様に、商品循環と同期的に価格が動いている事は、確認できました。
5.データ保存先
今回、作成したウラン価格(名目と実質)のデータは、SkyDriveに保存しておきました。
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 uranium_1981_2010.xls を参照してください。
次回は、これまで、4回の原油、天然ガス、石炭、ウランの価格推移を、総合的に分析して、エネルギー価格推移の全体的な傾向を捉えようと思っています。