第76回 トウモロコシの実質価格の長期的推移
第75回 エネルギー価格指数(実質)の作成と分析
第74回 ウランの実質価格の長期的推移
前回は、トウモロコシの145年間にわたる実質価格の推移を求めて、分析しました。
今回は、大豆の長期的な実質価格の推移を求めて、分析してみます。
1.大豆の名目価格の推移
USDAの以下のサイトから、1913年から2011年までの大豆価格(名目)を取得出来ます。
USDA QuickStats で Crops を選択→Soybeansを選択→United Statesを選択
このデータを使って、1913年から2011年の98年間にわたる大豆価格(名目)の推移をグラフ化すると、以下のとおりです。
【大豆名目価格のブレイクポイント】
1813年・・・1.79ドル
1919年・・・3.53ドルでこの時期のピークを付ける
1972年・・・4.37ドルでブレイク
1983年・・・7.83ドルでこの時期のピークを付ける
2007年・・・10.10ドルでブレイク
2011年・・・11.70ドルでこの時期のピークを付ける
上のように、過去の4回の商品循環のピークのうち、3回で、大豆の名目価格が、過去最高値を更新しています。
2.大豆の実質価格の推移
次に、いつものサイトのCPIを使って、大豆の実質価格を計算してみます。
Historical Value of U.S. Dollars
注)
1)1967年を1ドルとして計算されています。2)データの範囲は、1913年から2010年です。
上のように、実質では、現在の大豆価格は、1920年当時の4分の1以下です。
もし、今後、1947年あるいは1980年の水準まで、大豆の実質価格が上昇すると、現在の価格の約二倍となり、1920年の水準まで実質価格が上昇すると、現在の価格の約四倍となります。
【大豆実質価格のブレイクポイント】
1913年・・・6.03ドル
1914年・・・7.34ドルでブレイク
1917年・・・8.24ドルでこの時期のピークを付ける
2010年・・・1.70ドル
3.大豆価格と商品循環の関係
上のデータから、それぞれの商品循環のピークで、大豆価格が過去最高値を更新したかどうかを、調べると以下の通りです。
商品循環のピーク・・・過去最高値の更新有無(更新有り:〇、更新無し:×)
【名目価格】
1917年~1920年・・・〇
1947年~1950年・・・×
1980年~1983年・・・〇
2008年~現在・・・〇
【実質価格】
1917年~1920年・・・〇
1947年~1950年・・・×
1980年~1983年・・・×
2008年~現在・・・×
【結論】
・大豆が、商品循環のピークにおいて、過去最高値を更新する確率は、名目価格ベースで75%、実質価格ベースで25%である。
4.データ保存先
今回、作成した大豆価格(名目と実質)のデータは、SkyDriveに保存しておきました。
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、soybeans.xlsを参照してください。
次回は、小麦の価格について、今回と同様の分析を行ってみたいと思います。