商品循環 第97回 2012年までのエネルギー価格指数の取得

【直近の履歴】

前回は、2012年までの商品価格指数を計算する前準備として、1800年から2012年7月までの、ドルの実質価値を再計算しました。

今回は、IMFのデータを使って、2012年までのエネルギー価格指数を取得する方法を検討します。
このエネルギー価格指数は、全体の商品価格指数のサブセットとして利用します。

1.IMFの商品価格データ

   これまでに使用してきた、USDAやUSGS、EIAなどの商品価格データは、直近が、2010年あるいは2011年であったため、タイムリーな分析には、不十分でした。

 一方、IMFの以下のサイトには、直近の2ヶ月と4四半期ならびに過去3年間の年平均の商品価格が載っています。


従って、2012年の商品価格は、この、IMFデータの月次と四半期のデータから計算して取得することにします。

2.原油価格の取得

1859年から2011年までは、これまでの、EIAの原油価格データ(WTI価格)を使用します。
2012年の原油価格は、IMFデータから、West Texas Intermediate(WTI)の平均を算出します。

3.天然ガス価格の取得

1922年から2011年までは、これまでの、EIAの天然ガス価格データを使用します。 

2012年の天然ガス価格は、IMFデータから、US, domestic market(米国内市場)の平均を算出します。
ただし、天然ガス価格の単位が、EIAは、TCF当たり、IMFは、1000立方メーター当たりと異なるので、IMFデータに35.31を乗じて、TCF当たりに単位を統一します。

4.ウラン価格の対象外

このIMFデータは、これまで対象としてきたウランの価格が載っていません。
従って、今回のエネルギー価格指数を求める際には、ウランを対象外とします。

5.石炭価格の対象外

このIMFデータには、オーストラリア産と南アフリカ産の二種類の石炭価格が載っていますが、これまで、対象としてきた米国産の石炭価格が載っていません。
従って、今回のエネルギー価格指数を求める際には、ウランと同様に石炭も対象外とします。

6.重み付けの見直し

各商品の重要度に基づいて、各年毎の重み付けを以下のように、決定しました。

1860年~1929年・・・原油(100%)
1930年~1999年・・・原油(95%)、天然ガス(5%)
2000年~2012年・・・原油(90%)、天然ガス(10%)

7.エネルギー価格指数の計算

1901年のエネルギー価格指数の初期値を100とします。
1902年以降は、上記の加重前年同月比を前年のエネルギー価格指数を乗じた値を、当年のエネルギー価格指数として、2012年まで求めていきます。

8.エネルギー価格指数(実質)の推移

上記で求めたエネルギー価格指数(実質)の推移をグラフ化すると以下のとおりです。

イメージ 1

9.データ保存先

今回、作成したエネルギー価格指数(実質)のデータは、SkyDriveに保存しておきました。

ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 energy_idx_toDatex.xls を参照してください。

次回は、2012年までの農産物の実質価格指数を求めてみようと思います。