【直近の履歴】
第56回 長期金利と商品循環のピークの発生条件
第55回 CPIとPPIの変化率の関連性をグラフ化して分析する
第54回 マネタリーベースの推移を比較する
今回から、しばらく、1920年以前の商品循環について、調査・分析していこうと思います。
1.はじめに第56回 長期金利と商品循環のピークの発生条件
第55回 CPIとPPIの変化率の関連性をグラフ化して分析する
第54回 マネタリーベースの推移を比較する
今回から、しばらく、1920年以前の商品循環について、調査・分析していこうと思います。
これまで、1920年、1947年、1980年の三回の商品循環のピークについて、分析してきました。
1918年以前については、基準となるPPIおよびCPIの月次データが、取得できなかったため、分析が出来ませんでした。
しかし、これまでの分析で多くの情報源やデータが得られたため、いくつかの仮定条件を使って、それ以前の商品循環についても、さらに、60年程度遡って、間接的な分析が可能になりました。
今回は、1920年以前の商品循環について、まず、CRB商品年間の農産物の価格の推移から、概観してみようと思います。
2.予測
実際の商品価格を見る前に、商品循環および債券循環の周期性から、予測を立ててみます。
まず、30年周期という商品循環の周期性から、1920年の1周期前の1890年、2周期前の1860年に商品循環のピークがあったことが予測されます。
また、60年周期という債券循環(長期金利)の周期性から、1899年の長期金利のボトムと、1861年の長期金利のピークに、商品循環のピークがあったことが予測されます。
3.コーヒー
以下は、NYコーヒーの1820年からの価格推移です。
1860年の近辺に、1920年を上回る価格のピークがあることが分かります。
しかし、1890年の近辺には、ピークが見られません。
4.トウモロコシ
以下は、シカゴ・トウモロコシの1860年からの価格推移です。
1860年が左端なので、ピークかどうかは分かりませんが、1860年に価格が上昇していたことは、分かります。
トウモロコシも1890年近辺には、価格のピークが観測されません。
5.綿花
以下は、NY綿花の1790年からの価格推移です。
1860年近辺に、過去最大の価格上昇があったことが分かります。
しかし、綿花も1890年近辺では、価格のピークが見られません。
6.砂糖
以下は、NY砂糖の1840年からの価格推移です。
砂糖も、1860年前後に、1920年に匹敵する価格上昇が見られました。
しかし、1890年前後には、価格のピークは見られません。
7.小麦
以下は、シカゴ小麦の1860年からの価格推移です。
トウモロコシと同様に、1860年が左端なのでピークかどうかは分かりませんが、1920年前後と匹敵するような価格上昇があったことは分かります。
やはり、小麦も1890年近辺にピークは見られません。
8.まとめ
主な農産物価格の推移を見る限り、1920年から2周期前の1860年前後には、価格のピークが見られる。
しかし、1920年から1周期前の1890年前後には、価格のピークは見られない。
次回は、トウモロコシなどの穀物価格の数値を調べて、より詳細に分析してみたいと思います。