中国におけるシェールガスの可能性

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上のグラフは、エイジアム研究所がまとめた、中国の天然ガスの需要見通しです。

JOGMECが、中国政府のシェールガスに対する取り組み姿勢に付いて、詳細に分析しています。


・中国は国内の天然ガス需給ギャップ拡大、米国におけるシェールガス開発進展を受け、現在官民あげてシェールガス開発に取り組もうとしている。

・中国のシェールガス資源量は26兆m3(約918Tcf)とされており、回収率を20%とすると2009年末時点の確認埋蔵量の10倍、消費量の56年分に相当する。

・中国政府は2020年までにシェールガス埋蔵量1兆m3を確認し、150億~300億m3/年(1.5~2.9Bcfd)の生産能力構築という目標を設定、四川・重慶の他複数の調査対象地域を選定した。

・PetroChinaはShellと四川でシェールガスの共同評価を行うことで合意した他、過去にシェールガスが確認されている四川のガス田を中心に調査井の掘削を行っている。

シェールガス開発に用いる水平坑井や水圧破砕などの要素技術はShellやTotalと共同で開発しているタイトガス開発などで適用した実績がありPetroChinaなど中国企業にも一定の知見がある。しかしシェールガスの開発については知識も経験も十分ではない。

・中国政府はシェールガス開発で先行している米国にシェールガス資源の開発促進について協力を仰いでいる。2010年5月の米中戦略経済対話では「中米シェールガス資源作業グループ活動計画」に調印、法整備を含む開発促進のための協力について合意した。9月に米ヒューストンで開催予定の第10回中米油ガス産業フォーラムにおいてシェールガス田の視察を行う計画など協力は具体味を帯びてきた。

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また、このレポートによると、中国政府は、ロシアとの天然ガスの輸入契約交渉を有利に進めるために、自国のシェールガス開発を強調しているようです。
本格的にシェールガス開発を進めるつもりなのか、それとも、単に取引材料としているのか、慎重に見極める必要がありそうです。