2009年1Q 米・商業銀行の延滞率が急上昇

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上のグラフは、FRBが集計した米国の金融機関の事業別延滞率の推移です。(1991年からの四半期別)

赤い線が、商業用不動産ローン、青い線が住宅用不動産ローン、緑色の線がクレジットカードの延滞率です。

拡大図は、以下のリンクを開いて、グラフをクリックしてください。
Fed, Delinquency Rates Surged in Q1 20

グラフを見て分かるように、いずれの事業も、急角度で延滞率が上昇していることが分かります。
直近の2009年1Qのデータは、以下の通りです。

商業用不動産ローン:6.4%・・・90年代以来、最大の延滞率。
住宅用不動産ローン:7.91%・・・FRBが統計を取り始めてから、最大の延滞率。
クレジットカード:6.5%・・・同上

住宅用不動産ローンの悪化は、住宅販売に底打ちの兆しがあるために、年内にピークアウトすると思われます。
しかし、クレジットカードに関しては、年内は失業率の悪化が続くことから、来年まで延滞率が上昇すると予想しています。
商業用不動産も、景気の遅行指標であることから、クレジットカードと同様に、来年にピークアウトすると考えられます。

これらの事業の延滞率の増加は、貸し倒れ償却という形で、商業銀行の決算の損失として表れます。
今後、米国の商業銀行(シティ・バンカメ等)は、これらの多額の償却を上回る利益が計上できるかどうか、ぎりぎりの経営環境が、今後、一年間は、続くものと考えられます。