21世紀型通貨危機のかたち

5月1日(金)日経夕刊、十字路より。

●引用開始
米国の財政赤字拡大と金利低下でドル暴落のリスクが懸念されたが、政府債務増大は他の先進国でも見られるので、世界の投資マネーは先進国の国債全般から逃げ出す可能性がある。とくに中央銀行が自国政府の債務を大量に買い込んだ国の国債、通貨の信認は低下し、長期金利も上昇しよう。究極的には、管理通貨制度あるいはペーパーマネー自体への不信認に発展するリスクもある。
ただ、当面は大幅な需給ギャップが続くので、財・サービス価格の高騰という古典的なインフレにはならず、投機資金が向かう先は供給面から制約がある資源・エネルギーなどであろう。先進国の購買力は通貨安と資源価格高の両面から低下する。
(JPモルガン証券チーフエコノミスト 菅野雅明
●引用終了

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現在のように、各国が歩調を合わせて、財政支出を拡大して、中央銀行国債を買い入れる限り、円高ドル安の進行といった先進国間の大幅な為替調整のリスクは、もう、少ないのではないかと思っている。

次に、危機が表面化するとしたら、菅野氏の言うような、21世紀型の通貨危機なのかもしれない。
やはり、長期金利の動向からは、目が離せない。