メキシコ カンタレル油田の産出量が急速に減少

世界第二位のメキシコのカンタレル油田の産出量が急速に減少しています。メキシコ政府の発表によると、2006年12月の平均産出量は、150万/日バレルとなり、昨年までの平均産出量200万バレル/日から25%の落ち込みとなっています。カンタレル油田は、既に1990年代半ばから窒素ガスなどを注入する二次回収段階に入っているため、今後、産出量を急回復することは難しいと考えられます。2008年末には、52万バレル/日まで落ち込むという予測があり、国家予算の4割の歳入を石油からの収入に頼っているメキシコは危機的な状況に陥る可能性があります。
 さらに、世界最大の原油消費国である米国にとっても、メキシコは日量150万バレルを輸入する第二位の輸入相手国ですので、メキシコの供給に不安が有るとすると、OPEC諸国の供給増に期待せざるを得ません。しかし、実際に供給余力があるのは、サウジアラビアイラクだけというのが実情です。
 カンタレル油田と同様にサウジアラビアのガワール油田やクウェートのブルガン油田などの世界最大級の油田はいずれも自噴段階は過ぎて、二次回収段階に入っています。カンタレルと同様の産出量の落ち込みがいつ生じても不思議ではありません。