2007-08年 銅需給見通し

国際銅研究会第15回総会が、2007年5月15日~16日、ポルトガル(リスボン)において開催され、以下のように2007-08年の世界の銅需給見通しが公表されました。
出典:独立行政法人 石油天然ガス・鉱物資源機構 金属資源情報センターのホームページ

【鉱山生産】
 鉱山労働者のストライキや新規プロジェクトの遅延、環境問題に対する地域住民の反対等による上半期の生産障害から2006年の世界の鉱山生産は、0.7%増と前年と同水準となりました。

 2007年は、チリ、メキシコなどの鉱山生産が増加することとなり、6.3%(939千t)の増加が見込まれています。

 2008年は、新規プロジェクトおよび既存の稼動鉱山の拡張が見込まれることから、7.3%の増加の予測がされています。

【銅地金生産】
 2007年の銅地金生産は、チリ、メキシコ、日本、インド、ロシア及び米国で増産が見込まれています。また、チリ、アフリカおよび米国においてSX-EW法(溶媒抽出電解精錬)による酸化銅からの地金生産の増加が見込まれることから、2007年も74万t(4.3%)の増加が見込まれています。

 2008年も、主にアフリカ、アジア、北米での増産により、5%の増加が予測されています。

【銅地金消費】
 2007年の銅地金消費は、中国(12%)、インド(7%)、ロシア(8.5%)のBrics諸国で増加すると見込まれています。一方、EU15か国で3.7%減、米国(0.9%)および日本(0.1%)は微増となる模様です。世界的には4.7%の増加となる見通しです。
 2008年は、中国を中心としたアジアとCIS諸国においての消費の伸びから、3.6%の増加が見込まれています。

【需給バランス】
2007年 2008年
 銅鉱山生産 15.97百万t(+6.3%) 17.13百万t(+7.3%)
銅地金生産 18.07百万t(+4.3%) 18.95百万t(+4.9%)
 銅地金消費 17.80百万t(+4.7%) 18.43百万t(+3.6%)
需給(生産-消費) 28万t 52万t

価格高騰により世界的に鉱山と地金の生産活動が高まった結果、2007年から2008年にかけて、供給量の拡大により銅地金の需給は緩和方向に向かいます。高騰が続いてきた銅地金の価格も2008年にかけて弱含むものと思われます。