2007年4月 米国のマネーサプライと外国保有分米国債の推移と比較

2007年4月 米国のマネーサプライと外国保有分米国債の推移と比較
2000/4 2007/4
国保有分米国債残高 10,889 21,655
マネーサプライ(M2) 47,659 72,425
比率 22.9% 29.9%
日英独の保有額 4,543 7,987
日英独の保有比率 41.7% 36.9%

単位:億ドル
出典:米国財務省「Major Foreign Holders of Treasury Securities」
:米国連邦準備委員会「Money Stock Measures」
http://pw1.netcom.com/~rdavis2/tshldrs.html
http://www.treas.gov/tic/mfh.txt
http://www.treas.gov/tic/mfhhis01.txt
http://www.federalreserve.gov/releases/h6/Current/

外国勢による米国債保有は、量的な面と質的な面の双方で、米国経済の大きなリスクとなっています。
量的な面では、外国勢が保有している米国債の残高が米国のマネーサプライに占める割合が2000年の2割強から2007年には3割弱に増加していることが問題です。これは、米国債の売却が米国のマネーサプライの増加に与える影響が大きくなっていることを意味しています。
例えば、外国勢が保有している米国債の3割を売却しでドルに換金した場合、2000年ではマネーサプライの6.9%を押し上げる効果だったものが、2007年には、9.0%の押し上げ効果があります。
質的な面では、保有先の変化が挙げられます、米国債の安定的な保有先の日本、イギリス、ドイツの保有比率は、2000年の41.7%から2007年の36.9%に低下し、代わって中国やオイルマネーなど、米国債の売却を躊躇の無く行える国の保有比率が上昇しています。

ドル安の進行や米国の景気悪化などを契機に、中国やオイルマネーなどの外国勢が米国債を売却した場合、債券価格の下落のみならず、マネーサプライの増加を招いて、米国で急速にインフレが進行します。米国経済は、外国勢による米国債の売却という大きなリスクを抱えているのです。