まず、日本と米国の歴史的な景気後退の関係を整理してみます。
以下のグラフは、1950年1月からの日本と米国の景気後退期間を比較したグラフです。
上段(深緑色)が米国の景気後退期間を表し、下段(朱色)が日本の景気後退期間を表しています。
1950年以降、日本では、16回の景気後退が発生し、そのうち、半数の8回の景気後退が、米国の景気後退と時期的に重なっています。
また、1970年以降は、米国が景気後退に陥ると、日本もほぼ同時期に景気後退に陥っています。
このように、現時点では、米国の景気後退を予測することによって、日本の景気後退を予測する可能性が高く、従って、米国の景気後退の先行指標であるイールドカーブは、日本の景気後退の先行指標であるとも言えます。
青い長方形が日本の景気後退期間を表し、黄色い長方形が米国の景気後退期間を表しています。
機会損失・・・景気後退入り前の最高値である2007年6月の1万8138円まで、保有しなかったことによる利益機会の損失割合。
(18138 - 17059) ÷ 17059 × 100% = 6.3
損失回避・・・景気後退入り後の最低値である2009年2月の7568円まで保有しなかったことによる損失の回避の割合。
(7568 - 17059) ÷ 17059 × 100% × (-1) = 55.6
投資パフォーマンス = 損失回避 - 機会損失 = 49.3
前々回の記事で計算した、S&P500指数の投資パフォーマンスと比較すると以下のようになります。
49.3(日経平均の投資パフォーマンス) > 18.7(S&P500指数の投資パフォーマンス)
このように、2008年の景気後退では、逆イールドを売却の指標とした場合、日本株の投資パフォーマンスの方が、米国株を上回っていたことになります。