【直近の履歴】
前回は、商品価格指数(実質)とそのサブセットであるエネルギー価格指数、農産物価格指数、金属価格指数の長期的推移について、分析しました。
今回は、 商品価格指数(実質)と米国の長期金利の関係を分析してみます。
1. 商品価格指数(実質)の推移
以下のチャートは、 1866年から2012年までの、実質価格での商品価格指数の推移です。
2.長期金利
以下のチャートは、1871年から2012年までの約140年間の1月1日における米国の長期金利の推移です。
データの源泉は、米財務省とシラー教授の著作で、以下のサイトから取得しました。
上の二つのチャートを比較すると、まず、1920年頃と1980年頃に、長期金利と商品価格がはっきりとしたピークを付けている事が分かります。
これは、長期金利のピークでは、債券と商品との間で、直接的な資金シフトが発生していたことを示しています。
一方、長期金利のボトムでは、1940年~1950年頃は、はっきりとして商品価格のピークは表れていません。また、現在(2012年)は、商品価格の急上昇は見られますが、今後、急速な価格下落でピークが形成されるかどうかは、未だ分かりません。
長期データのスケールが特徴を見難くしている可能性があるので、以下に、年代を短く区切って、分析を続けます。
3.1910年~1960年の約50年間
以下は、 1910年~1960年の商品価格指数(実績)の推移です。
以下は、 上と同期間の長期金利の推移です。
商品価格と長期金利は、1920年頃に同時にピークを付けた後、1931年まで、同期的に下落していきます。
長期金利はその後も1941年まで下落を続けますが、商品価格は、1931年を底に反転して、上昇トレンドに入ります。
長期金利は、1941年に底を付けた後、1956年まで2%台の低水準を維持します。
商品価格は、1931年から1950年まで、約20年間上昇を続け、その後も、同水準の価格を維持します。
【整理】
・長期金利が底を付ける約10年前に、商品価格が底を付ける。
・長期金利は、底を付けても、10年以上低水準を続ける。
・商品価格は、約20年間上昇を続け、その後も、長期金利が大きく上昇するまで、同水準の価格を維持する。
4.1970年~2012年の約40年間
以下は、 1970年~2012年の商品価格指数(実績)の推移です。
以下は、 上と同期間の長期金利の推移です。
商品価格と長期金利は、1980年頃に同時にピークを付けた後、1998年まで、同期的に下落していきます。
長期金利はその後も下落を続け現在(2012年)に至りますが、商品価格は、1998年を底に反転して、上昇トレンドに入ります。
長期金利は、2012年7月24日に、史上最低値の1.44%を付けます。
商品価格は、1999年から2011年まで、14年間上昇を続け、現在も、最高水準の価格を維持しています。
【1910年~1960年との比較】
・長期金利が底を付ける約10年前に、商品価格が底を付ける。・・・1910年~1960年とほぼ同じと考えられる
5.まとめ
上のように、商品価格指数(実質)と長期金利のチャートとデータを比較すると、1970年~2012年は、1910年~1960年の最初の40年間の動きと良く似ています。
6.データ保存先
今回、作成した長期金利のデータは、SkyDriveに保存しておきました。
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 10_years_treasury_Jan1st_db.xls を参照してください。
次回は、ダウ平均株価の実質価格を求めて、商品価格の推移と比較していこうと思っています。
今回、作成した長期金利のデータは、SkyDriveに保存しておきました。
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 10_years_treasury_Jan1st_db.xls を参照してください。
次回は、ダウ平均株価の実質価格を求めて、商品価格の推移と比較していこうと思っています。