商品循環 第103回 商品価格指数(実質)と実質株価の関係

【直近の履歴】

前回は、 商品価格指数(実質)と米国の長期金利の関係を分析しました。

今回は、NYダウ平均の実質価格の推移を求めて、商品価格指数(実質)と株価の比較を行います。

1.名目株価の長期推移

NYダウ工業株30種平均(以下、ダウ平均)の1900年からのデータを以下のサイトから取得します。


 以下のチャートは、 1901年から2012年までの、NYダウ平均の名目価格の推移です。

 
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2.実質株価の長期推移 

以下のサイトのCPIを使って、NYダウ平均の実質価格を計算します。

Historical Value of U.S. Dollars ・・・ 1901年~2010年
Historical Inflation Rates: 1914-2012 ・・・ 2011年~2012年

以下のチャートは、 1901年から2012年までの、NYダウ平均の実質価格の推移です。
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3. 商品価格指数(実質)の長期的推移

実質株価と商品価格を比較するために、商品価格指数(実質)を1901年~2012年の範囲でグラフ化したものを以下に示します。

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4.数値分析

【1901年からの上昇率】
株価・・・8.74倍
商品・・・5.41倍
注)
株価は配当を含まない。

【ピーク】 
株価・・・1929年、1966年、2000年
商品・・・1917年、1950年、1980年、2011年(暫定)

【両ピーク間の年数差】 
商品1・・・1917年→+12年→
株価1・・・1929年→+21年→
商品2・・・1950年→+16年→
株価2・・・1966年→+14年→
商品3・・・1980年→+20年→
株価3・・・2000年→+11年→
商品4(暫定)・・・2011年

年数差の平均・・・15.6年

【ピーク間の上昇率】

1917年~1929年
株価・・・2.33倍
商品・・・0.65倍
株価/商品・・・3.58倍

1929年~1950年
株価・・・0.47倍
商品・・・1.69倍
商品/株価・・・3.59倍

1950年~1966年
株価・・・3.59倍
商品・・・0.82倍
株価/商品・・・4.38倍

1966年~1980年
株価・・・0.34倍
商品・・・2.30倍
商品/株価・・・6.76倍

1980年~2000年
株価・・・6.56倍
商品・・・0.60倍
株価/商品・・・10.93倍

2000年~2011年
株価・・・0.77倍
商品・・・2.71倍
商品/株価・・・3.51倍

株価/商品の平均・・・(3.58倍+4.38倍+10.93倍)÷3=6.30倍
商品/株価の平均・・・(3.59倍+6.76倍+3.51倍)÷3=4.62倍 

【ピーク間の平均年数】
株価・・・(37年+34年)÷2=35.5年
商品・・・(33年+30年+31年)÷3=31.1年

5.まとめ

・株価と商品は、周期が30年強の循環構造を持つ。
・株価と商品のピークは、平均で約15年周期で、交互に表れる。
・100年の超長期で見ると、株価のパフォーマンスが、商品のパフォーマンスを2倍程度、上回る。
・さらに、商品価格のピークから次の株価のピークまでの期間に限定すると、株価のパフォーマンスが商品を平均で6倍強、上回る。 
・一方、株価のピークから次の商品価格のピークまでの期間に限定すると、商品のパフォーマンスが株価を平均で4倍強、上回る。 

6.データ保存先

 今回、作成したNYダウ平均のデータは、SkyDriveに保存しておきました。

ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 NewYorkDow.xls を参照してください。