【直近の履歴】
前回は、 商品価格指数(実質)とPPIの関係を分析しました。
今回は、商品価格指数(実質)と米国の短期金利の長期的な比較を行います。
1.米国の短期金利
米国の最も重要な短期金利は、FFレートですが、最も古いデータが1954年7月であり、約60年の範囲しかカバーできないため、長期的な推移を見る対象としては、不向きです。
一方、公定歩合(ディスカウントレート)は、現在の重要性は高くありませんが、1914年11月からの約100年間の月次データが得られる為、短期金利の長期的な推移を見るのに適しているので、こちらを使用します。
先ず、セントルイス連銀のディスカウントレートのデータを、以下のサイトから取得します。
従って、以下のサイトからFFレート(月次実効レート)をダウンロードして、2003年9月以降のFFレートに、0.1%を加算した値を、公定歩合として用います。
1914年、1920年・・・短期金利のピーク
1942年~1947年・・・短期金利のボトム
1981年・・・短期金利のピーク
2011年・・・短期金利のボトム
2.商品価格指数(実質)
比較を容易にするために、上記の公定歩合と同じ期間で、商品価格指数(実質)をプロットしたグラフが以下です。
若干の誤差はありますが、短期金利のピークとボトムで商品価格のピークが表れています。
これは、短期金利のピークでは、インフレを押さえ込むために、利下げを極力、遅らせる必要があるに対して、短期金利のボトムでは、インフレ傾向が弱いために、景気に配慮して、利上げを遅らせるからだと想定されます。
3.公定歩合の平均値からの乖離
上記の公定歩合のデータの全期間での平均値を計算すると、4.04%となります。
以下のチャートは、各月の公定歩合データと平均値との差の絶対値を計算しプロットしたチャートです。
即ち、 公定歩合のボトムとピークにおいて、チャート上にピークが表れるように表現したものです。
上記の商品価格指数(実質)と良く似た形状になります。
また、例えば、短期金利が長期平均に接近した場合、商品価格がボトム付近にある可能性が高いと言えそうです。
このように、短期金利のデータを分析することによって、商品価格の推移を把握することが、ある程度可能となります。
4.データ保存先
今回、作成した公定歩合のデータは、SkyDriveに保存しておきました。
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、shortTermRate.xls を参照してください。
今回、作成した公定歩合のデータは、SkyDriveに保存しておきました。
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、shortTermRate.xls を参照してください。