サウジの石油アナリスト EIAの原油生産見通しを批判

サウジの有力な石油アナリストが、原油生産の見通しについて、悲観的な見解を述べています。


・サウジの国営石油会社サウジアラムコの前・開発生産責任者であるサダド・イブラヒム・アル・フセイニ氏が、米国(EIA)の原油生産見通しを批判しています。

・サダド氏によると、在来型の油田は、新規生産量の二倍の速度で減退しており、非在来型の油田で幾分、相殺されるものの、将来的に生産量が不足すると考えられます。

・EIAは、中東地域の原油生産量が、2035年までに、日量3094万バレルまで増産されると述べましたが、サダド氏は、技術的・経済的な問題から日量2600万バレルが、限界であると考えています。

・サダド氏の見積もりでは、世界の原油生産量も、2013年から2019年にかけて、日量8700万バレルでピークアウトした後、2030年までに日量8300万バレルまで減少すると予測されています。

・サダド氏は、不足分は、非在来型の油田や代替エネルギーで補う必要があると考えています。

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長年、ピークオイルを否定していた中東産油国のスタンスが、変ってきました。
最近は、ピークオイルを前提として、もし、供給不足になっても、産油国は、油田の寿命を縮めるような、無理な増産は行わないと、宣言しています。