「北極圏の氷は非常に速く溶けている」 ロシア高官

ロシアの異常高温は、首都のモスクワだけで無く、北極圏にも大きな影響が出ているようです。

ブルムーバーグは、北極圏の海氷が予想以上に溶け、今季の消失量は海氷面積が過去最小となった3年前に並びそうだというロシア気象庁の見解を伝えています。

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7月20日ブルームバーグ):ロシア連邦水文気象・環境監視庁は北極圏の海氷が予想以上に溶け、今季の消失量は海氷面積が過去最小となった3年前に並びそうだ、との見通しを示した。

 同庁のアレクサンドル・フロロフ長官は20日、「北極圏の氷は非常に速く溶けている」と指摘した。
 フロロフ長官はモスクワで記者団に6月の北極海の氷の面積は1080万平方キロメートルで、2007年の同時期を下回ったことを明らかにした。同年には海氷面積は過去最小まで縮小した。米国立雪氷データセンターによると、過去最小は07年9月16日の414万平方キロメートル。
 
 フロロフ長官によると、北極圏の海氷は1979-2000年の平均を最大30%下回る可能性がある。「これは、多くの水路で氷がなくなることを意味する」という。
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下の画像は、JAXAの開発した改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E) による北極海の海氷モニタの2010年7月26日の画像です。
通常、北極点の近くの部分は、7月でも氷が厚いので、真っ白に写りますが、今年は、青い色が広範囲に見られ、氷が薄くなっていることが分かります。
また、カナダの北方の氷が溶けて、ロシア沿岸と同様に、航路が開通出来そうです。

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下の画像は、一年前の2009年7月26日の画像です。
例年どおりに、北極点とカナダ北方は白い海氷に覆われています。
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下の最後の画像は、海氷面積が過去最小となった3年前の2007年7月26日の画像です。
現時点の画像と比較すると、今年の海氷面積の方が、まだ、大きいように見えます。
最も海氷が小さくなる9月まで、注意して観察するつもりです。
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