地熱発電の問題点

地熱発電は、日本のような火山国では、有望なエネルギーに思えますが、実際には、多くの問題点があるために開発があまり進んでいません。

今回は、地熱発電の問題点を列挙し、整理してみます。
熱エネルギ-の話/地熱発電所を参考にさせてもらいました。

地熱発電の問題点】

1.硫化水素の放出による大気汚染
  地球に優しいと言っても、完全に無公害では有りません。

2.建設中のボ-リング作業による騒音・振動
  建設期間が長いので、問題になり易いです。

3.噴気の騒音
  近づくと会話が出来ないぐらいうるさいです。

4.熱水・蒸気採取による地盤沈下
  近くで地盤沈下が発生すると、先ず地熱発電が疑われます。

5.土砂流出による河川水の汚染、土壌汚染
  主に硫黄が流出します。

6.熱水・蒸気の放出による植物の損傷、景観の変化
  観光地では経済的な被害になります。

7.泥水の温泉への混入、温泉の減衰
  温泉業者にとっては、死活問題だと思います。

8.地熱地帯は、 国立公園法で開発が規制されている区域が多くて簡単に開発できない点がある。

【経済性の問題】

1.開発リスクがある。
  掘削しても熱源に当たらない場合があります。

2.減衰する。
  温水が減少して、さらに、深く井戸を掘る必要性が出てくる場合があります。

3.リードタイムが長い。
  調査から稼動まで、10年から15年かかるため、稼動時にエネルギー価格が低下していて、採算が取れない場合がある。
  また、建設期間中に資材価格が高騰して、計画よりもコストがオーバーしてしまうリスクがある。

4.建設コストが高い。
  上のブログによると、1kwh当たり、地熱は16円、水力13.6円、 石油火力10.2円、石炭火力6.5円、天然ガス火力6.4円、原子力5.9~14.2円と、地熱が最も高くなっています。

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上のように、様々な問題点はありますが、火山国の日本では、地熱エネルギーは豊富に有り、ランニングコストは、他の発電と拮抗しているのも、事実です。

また、原子力発電のように、放射性廃棄物の処理コストが不要であることは、優れた点だと思います。

いずれ、日本で地熱エネルギーの開発ブームが起こっても、不思議では無いと思っています。