インド、国土の4分の1が砂漠化 森林伐採や過放牧で

私たちがインドと聞くと、先入観から熱帯雨林のジャングルのような場所を想像していますが、上のニュースが伝えているように、急速に乾燥化、砂漠化が進んでいる国なのです。

背景にあるのは、急速な人口の増加で、食糧増産のために、過剰揚水を行って塩害が発生したり、食肉用に放牧した動物が草木を食べ尽くしたりすることも大きな要因です。

上のニュースでは、マハラシュトラ(Maharashtra)州などで土地の劣化が進んでいると伝えていましたが、おそらく、塩害などの発生もあるのだと思います。
ちなみに、マハラシュトラ(Maharashtra)州はインド最大のサトウキビ産地で、今後、サトウキビの収穫量にも影響が出て来ると予想しています。

インドの現状については、レスター・ブラウン氏が、詳しく述べています。
世界で同時進行する水不足
●引用開始
大規模に過剰揚水が行われているもう1つの国は、インドである。過剰揚水は、この国の穀倉地帯であるパンジャブ州、ハリヤナ州、グジャラート州、ラジャスタン州、アンドラ・プラデシュ州、タミル・ナドゥ州を含む、いくつかの州で行われている。インド全体の過剰揚水の状態に関する信頼できる数値はないが、スリランカにある国際水管理研究所の前所長、デビット・ゼクラーは、帯水層の枯渇によって、インドの穀物生産量はいずれ1/4ほど減少するだろうと考えている。
 最新のデータによると、パンジャブ州とハリヤナ州では、地下水位が毎年1メートルも低下している。ラジャスタン州で観測した井戸のデータによると、地下水位は過去20年間で数メートル低下した。現時点では、インドの主食である小麦とコメの生産量は、今なお増加している。灌漑用水の不足というマイナス要因が、農業技術の進歩というプラス要因を上回り、すでに中国が直面しているような「生産量が減少し始める」正確な時期は明らかではないが、数年以内に訪れる可能性はある。2002年のコメ生産量は激減したが、原因は過剰揚水ではなく、例年より勢力の弱いモンスーンと作物を枯らすほどの熱波であった。
●引用終了