パキスタンの砂糖危機

パキスタンの砂糖不足が危機的な状況になってきました。
年末までにタイやブラジルから、白糖や粗糖を大量に輸入する必要に迫られているようです。


パキスタンは、世界第5位の砂糖生産国ですが、インドと同様に、今年の夏の干ばつで、サトウキビの不作に見舞われ、国内消費も賄えない状況に陥っています。

砂糖不足の状況と原因を、在パキスタンの日本人の方が、ブログに詳しくまとめられています。


・国民の生活を一番苦しめているのは砂糖危機です。

・今年はその(例年の)1.5~2倍で売られ、さらに品薄で手に入らない状態。

・砂糖の年間消費量は420万トンです。生産量は以下に書くように、年々減少しています。

・在庫管理のための、農家から政府による買取保証価格が存在します。

・買取価格が安い上に、製糖業者は農家からの購入額を支払いません。

・ここで、農地と生産量が減少している原因も挙げます。上に書いたように、農家が虐げられる立場で、米や小麦の方が補助金も高くなるので、農家のサトウキビ離れが進みます。それ以外には、
 ・ 近年の水不足により生産が難しい
 ・ インフレや電力不足で生産コストが高くなる
ことがあります。
ちなみに、ここ1年くらいは1日に6~8時間停電しているほどの電力不足です。

・製糖業者(=政府役人)には、砂糖不足になって高値になる程、自分の儲けは増えるので、在庫の隠匿や、農家への圧迫も見られます。

・結局、Rs30/kgの昨年に比べれば30%増の上に、翌年への在庫は消失します。
翌年は、もっと厳しくなると想像されますが・・・

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ぱきおさんのブログを読むと、パキスタンの砂糖不足は、単なる気候変動だけの問題では無く、政治の腐敗や慢性的な水不足などが背景にあって、非常に複雑な問題のようです。

下のアルジャジーラパキスタンの砂糖不足を取材したニュースです。
やはり、政治家とその一族が大半の製糖所を支配していて、不当な利益を上げていると指摘しています。