IEAチーフエコノミスト ピークオイルとオイルクランチの発生を警告

IEAのチーフエコノミストである Fatih Birol 博士が、近い将来のピーク・オイルやオイル・クランチの発生を警告する発言を行ったことが、大きな話題になっています。


これは、英インディペンデント誌が、Fatih Birol 博士に対して行ったインタビューの内容です。

・世界各国の政府の予想よりも、10年以上早く、今後、10年以内に石油生産のピークが到来する。

・既に、世界の埋蔵量の1/3を占める800以上の大型油田は、ピークを過ぎており、減退速度は、二年前に考えられていた値の2倍近くに達している。

・また、原油生産国の投資不足が深刻で、数年以内に、オイル・クランチ(原油の需給逼迫)が生じる可能性がある。

・世界的な原油需要が数年以内に回復したときに、オイル・クランチが発生して、景気回復の足かせになるだろう。

・2030年まで、原油需要が現状を維持した場合、サウジアラビアの4ヶ国分に相当する原油生産が必要になる。予想通りに原油需要が伸びた場合は、サウジの6ヶ国分が必要だ。

・IEAは、2020年までのピークオイルを予測しているが、オイルクランチは、その前に、やって来るだろう。

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これは、IEAの公式見解ではありませんが、そのチーフエコノミストが、ピークオイルの予想よりも早い到来と、原油需給の逼迫に対する深刻な懸念を表明した意味は、大きいと思います。