ドル通貨の需給

米国の1990年から2006年までのマネーサプライ(M1)は、約2.1倍になっています。
日付 通貨 non-bank traveler's check 要求払い預金 合計
1990-1-1 224.6 6.5 303.7 534.8
2006-12-25 760.5 6.7 360.4 1127.6
出典:FRB公開情報
http://www.federalreserve.gov/releases/h6/hist/h6hist10.txt
単位:10億ドル

この間の米国のGDPは以下のように、約1.6倍になっています。
年 GDP
1990 7,112.5
2006 11,415.3
出典:米国商務省公開情報
http://www.bea.gov/scb/pdf/2007/05%20May/D-Pages/0507Dpg_C.pdf
単位:10億ドル

このように、1990年から2006年までの間に、米国の通貨供給量(M1)の伸びは、GDPの伸びの1.3倍に達しています。すなわち、米国の国富の増加量よりも3割多い通貨がこの間に供給されていることになり、ドル通貨の需給は大幅な供給過剰でした。潜在的なドル安とインフレの要因がこの時期に形成されました。
近年まで表面化しませんでしたが、米国景気が減速し始めた現在、インフレが顕在化し始め、米国の長期金利が5%を超えてきました。今後はドル安が表面化するものと思われます。