商品循環 第88回 金と銀の価格比の推移

【直近の履歴】

前回と前々回において、金と銀の実質価格の推移を分析しました。

今回は、実質価格の分析を、お休みして、金と銀の長期的な価格の比較を行ってみます。

1.金と銀の名目価格の推移

 以下のグラフのように、同じ貴金属で、歴史的に通貨として使われてきた金と銀は、名目価格も同期的に変化します。

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 このような同じような価格変化のパターンを取る金と銀ですが、両者の価格比の推移は、どうなっているのでしょうか。

2.金・銀価格比

金と銀の名目価格の比率を求め、その推移をグラフ化すると以下のとおりです。

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【転換点】
1919年・・・17.8(ボトム)
1940年~1941年・・・96.7 (ピーク) 
1968年・・・18.4(ボトム)
1991年・・・89.3(ピーク)

【年数差】
ボトム間の年数差・・・1968-1919=49年 
ピーク間の年数差・・・1991-1940=51年

【全期間の平均】
47.1倍

3.分析結果

(1)金と銀の価格比は、通貨体制に関係無く、約50年周期の循環構造を持っている。

 世界の通貨体制は、1971年を境に、金本位制から管理通貨制に変わり、金や銀の名目価格が、他の商品と同様に大きく変動するようになりました。
 しかし、金と銀の価格比に関しては、上のグラフを見て分かるように、通貨体制が金本位制でも、管理通貨制の時代でも、殆ど変わらずに、  約50年周期で循環しています。

(2)金と銀の価格比は、ピークでは、約90倍前後、ボトムでは、約20倍弱、平均すると47.1倍の位相を持っている。

ちなみに、直近(2012年6月22日)のNY先物価格の比較では、58.6倍となっています。

(3)この循環構造を外挿すると、現在は、 金と銀の価格比が、下落トレンドの途中にあり、次のボトムは、2018年頃と予想される。

従って、商品価格が上昇トレンドにある場合、2018年頃までは、金よりも銀の方が、上昇し易いと考えられます。

4.データ保存先 

今回、作成したのデータは、SkyDriveに保存しておきました。 
ユーザーID: yada7215の公開フォルダにある、 gold_silver_ratio.xls を参照してください。


次回は、再び、実質価格の算出に戻り、プラチナの実質価格の推移を調べたいと思っています。