書籍 「ピーターの法則」

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ピーターの法則とは、1969年に教育学者ローレンス・J・ピーター(Laurence J. Peter)により、この本の原書「THE PETER PRINCIPLE」の中で、提唱されたもので、概ね以下のような法則です。

1.階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。
2.やがて、あらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
3.仕事は、まだ無能レベルに達していない人間によって行なわれている。

この著作の中では、ピーターの法則が適用される数多くの事例が、皮肉たっぷりの表現で書かれており、読み進むにつれて、殆ど救いようの無い気分になります。

ただし、実際に、政府や中央銀行、大企業などのエリート組織が、信じられないような無能ぶりを呈する理由を探すときに、ピーターの法則は一つの有効な解を与えてくれると思います。

本文ではありませんが、2003年に書かれた訳者の渡辺伸也氏のあとがきが印象的でした。

●引用開始
出版から三分の一世紀が過ぎても、この本には古びるところがありません。
・・・
巨大銀行のシステムエラー、相次ぐ医療過誤、酒酔い運転手を勤務させるバス会社、後処理のことは目をつぶって突っ走る原子力発電、問題の先送りと丸投げの技術だけは超一流の政治家や官僚、・・・
・・・
無能の蔓延は、ピーター博士の言うように、観念するしかないのでしょうか?
●引用終了

まるで、この二ヶ月間に起こった事を予言しているかのようです。
やはり、現代社会は、組織と個人の無能化を前提に考えた方が、正しい予測につながりそうです。