米国でシェールオイルの生産が増えている

AP通信から、新しい原油掘削技術によって、米国の原油シェールオイル)生産が増えているというニュースです。


・米国の西部で新しい技術による原油生産が増えて、20年間にわたり減少していた米国の原油生産量が、増産に転じています。

ノースダコタコロラド、テキサス、カリフォルニアで、企業が数十億ドルの投資を行っています。

・石油会社の幹部は、2015年までに、これらの新しい油田の生産量は、メキシコ湾の油田に匹敵する日量200万バレルに達すると述べました。

・技術者達は、シェール層にある天然ガスを取り出すために、水平掘削と水圧による砕岩を利用した方法を開発してきました。

天然ガスと比べて、石油は粘度が高く、分子も大きいので、この方法を石油の掘削に使うのは難しいと考えてきました。

・しかし、技術者達は、岩を砕く数と石油を安価に取り出す為の科学薬品の組成を工夫の末に、考え出しました。

・石油技術者は、この方法をノースダコタ州のバッケン油田で2007年に適用して成功しました。

・当初は、バッケン油田が特殊であると考えられてきましたが、昨年、南部テキサスの油田でも適用して成功しました。

・しかし、環境団体がこれらの方法が飲料水を汚染する可能性を恐れています。

・EPAが現在、調査を行っています。

・石油ブームのノースダコタ州の失業率は、全米の半分の3.8%まで低下しました。

・バッケン油田とイーグル・フォード油田の埋蔵量は夫々、40億バレルと見積もられ、米国の5番目と6番目の油田に位置づけられます。

・海外からの投資も盛んです。ロイヤル・ダッチ・シェルノルウェーのサトイル、中国のCNOOCなどです。

・ただし、シェール・オイルは、シェールガスほどには豊富ではありません。米国のシェールオイルは、2015年の世界需要の2%程度の供給量しかないので、価格に影響を及ぼすほどではありません。

・アナリストの見積もりでは、今後、米国のシェールオイルは、五年以内に、米国の生産量の20%から40%となる日量100万から200万バレルとなると予想しています。

・EIAはそれよりも少ない日量50万バレルを予想しています。

クレディスイスの試算では、メキシコ湾の油田開発とガソリン使用量の減少で、米国の原油輸入量は、2020年までに、60%減少すると予想されています。