米・バッケンシェール油田の最新状況

米国のバッケンシェール油田の最新データが公表され、The Oill Drum で分析結果が公開されています。
 
 
下のグラフは、ノースダコタ工業協会が公表した、直近のバッケンシェール油田における、平均的な油井の生産量の推移です。
 
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一つの油井が生産する原油の量は、1年目で日量904バレルですが、5年目に入ると、日量66バレルまで減退します。
Rune Likvern 氏の試算では、この減退率を適用すると、2013年2月の全体の生産量は、日量110万バレルとなるはずですが、実績値は、日量70万バレルと報告されていることから、実際には、減退率が上のグラフより大きい(生産量が少ない)のではないかと推測されます。
 
このように、減退率が大きいシェール油田であるため、生産量を維持あるいは増産していくためには、油井を大幅に追加していく必要があります。
 
以下のグラフは、バッケンシェール油田の2000年からの油井の正味追加数(緑色の棒グラフ)と生産量(紺色の折れ線グラフ)を表したものです。
 
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2010年1月から2011年6月までは、平均で毎月63本の油井が追加されていましたが、2011年7月から2012年12月の平均では、二倍以上の毎月144本の油井が追加されています。
 
以下のグラフは、Rune Likvern 氏の試算による、バッケンシェール油田の2014年までの生産量予測です。
2011年から2012年の実績では、二倍近くの増産となりましたが、楽観的なシナリオでも、2014年は、2012年の4割弱(36.6%)の増産に留まるとの結論となっています。
 
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シェールオイルは、シェールガスと比べて、減退率が大きく、産出地が限られているため、シェールガスよりも早く、数年以内にピークアウトする可能性も否定できません。