商品循環 第8回 1980年ピーク時のPPI (訂正1)

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上のグラフは、1956年から2007年までのCRB商品指数の推移です。

【訂正1】
1.タイトルの変更
2.前年同月比の計算式を訂正・・・(当月値-前年同月値)÷当月値 => (当月値-前年同月値)÷前年同月値

変更後の値は、以下の文章に反映しました。SkyDriveのファイルも更新しました。
ピークアウトの年月に変更はありません。


前回は、米国のPPIのデータをダウンロードして、前年同月比を計算しました。
SkyDriveに置いたPPIデータ

今回から複数回にわたって、このPPIデータを分析して、商品循環の動向を探って行きたいと思います。

PPIデータを現在から過去へと遡って、前年同月比が10%を超える期間を抽出すると以下のようになります。

1.2008年1月~9月

Excel行:1153~1161

2008-01-01 181.0 10.37%
2008-02-01 182.7 9.53%
2008-03-01 187.9 10.99%
2008-04-01 190.9 11.38%
2008-05-01 196.6 13.44%
2008-06-01 200.5 15.36%
2008-07-01 205.5 17.36% <=ピークアウト
2008-08-01 199.0 15.43%
2008-09-01 196.9 13.49%

商品循環のピークではありませんが、2008年の商品価格の急騰時に、PPIの前年同月比が延べ8ヶ月に渡って10%を超えています。

2008年の原油価格は、1バレル90ドル台で始まり、7月に1バレル147ドル台まで急騰して、その後、金融危機の影響もあって、年末には、1バレル40ドル台で終わっています。

PPIデータでも、1月に前年同月比が10%を超えて、7月に17.36%でピークアウトして、10月に10%台を切り、12月には-4.31%まで低下しています。

この時期のように、商品価格が、急騰し、ピークを付けた直後に急落した場合、PPIデータは、価格と一致した動きをします。

2.1979年1月~1981年6月

Excel行:805~834

1979-01-01 73.8 10.48%
1979-02-01 74.9 10.96%
1979-03-01 75.8 11.31%
1979-04-01 76.9 11.45%
1979-05-01 77.5 11.51%
1979-06-01 78.0 11.43%
1979-07-01 79.2 12.50%
1979-08-01 79.6 13.07%
1979-09-01 80.9 13.94%
1979-10-01 82.1 14.35%
1979-11-01 82.6 14.56%
1979-12-01 83.4 14.72%
1980-01-01 85.2 15.45%
1980-02-01 86.9 16.02% <=ピークアウト
1980-03-01 87.5 15.44%
1980-04-01 87.8 14.17%
1980-05-01 88.3 13.94%
1980-06-01 88.7 13.72%
1980-07-01 90.3 14.02%
1980-08-01 91.5 14.95%
1980-09-01 91.7 13.35%
1980-10-01 92.8 13.03%
1980-11-01 93.2 12.83%
1980-12-01 93.8 12.47%
1981-01-01 95.2 11.74%
1981-02-01 96.1 10.59%
1981-03-01 97.0 10.86%
1981-04-01 98.0 11.62%
1981-05-01 98.3 11.33%
1981-06-01 98.5 11.05%

1980年前後の商品循環のピークにおけるPPIデータです。

上のように、前年同期比が10%以上の期間が、2年間以上続いており、長期間に渡って、商品価格が上昇を続けていたことが分かります。

この期間中、1980年2月に、PPIの増加率は、16.02%でピークアウトしています。

この期間中の商品価格のピークを調べて見ると以下の通りです。

CRB指数・・・1980年11月 337.60ポイント
トウモロコシ・・・1980年11月
ゴールド・・・1980年9月
砂糖・・・1980年10月

このように、商品価格は、1980年9月~11月にピークアウトしており、PPIのピークは、7ヶ月~9ヶ月先行していることが分かります。

この時期のように、商品価格が、長期間に渡って価格上昇を続けた場合、PPIデータは、商品価格に先行した動きをすることが分かります。

3.1973年3月~1975年6月

Excel行:735~762

1973-03-01 43.4 10.71%
1973-04-01 43.6 10.94%
1973-05-01 44.5 12.66%
1973-06-01 45.5 14.61%
1973-07-01 44.9 12.25%
1973-08-01 47.5 18.45%
1973-09-01 46.7 16.17%
1973-10-01 46.3 15.46%
1973-11-01 46.5 15.38%
1973-12-01 47.4 15.33%
1974-01-01 49.0 17.79%
1974-02-01 50.0 17.92%
1974-03-01 50.6 16.59%
1974-04-01 51.0 16.97%
1974-05-01 51.8 16.40%
1974-06-01 52.0 14.29%
1974-07-01 54.0 20.27%
1974-08-01 55.9 17.68%
1974-09-01 55.9 19.70%
1974-10-01 56.9 22.89%
1974-11-01 57.4 23.44%
1974-12-01 57.3 20.89%
1975-01-01 57.4 17.14%
1975-02-01 57.2 14.40%
1975-03-01 56.9 12.45%
1975-04-01 57.5 12.75%
1975-05-01 57.9 11.78%
1975-06-01 58.0 11.54%

この期間は、上のチャートで最初にCRB商品指数が立ち上がっている部分に相当します。

商品が強気相場に入って、ボラティリティが急に拡大し、価格が上昇し始めている為、PPI指数の前年同月比が長期間に渡って10%を超えています。

このように、商品が強気相場に入ったこともPPIの動きから検知出来ると考えられます。

次回は、1950年前後の商品循環のピークをPPIの動きから分析してみます。