マウンダー極小期 日本の気候は、湿潤だった。

東京大、名古屋大、名古屋工業大の研究チームが、「マウンダー極小期」(1645~1715年)に当たる江戸時代初期の日本は、周期的に雨が多い湿潤な気候になっていたことを、解明しました。


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 太陽の活動が低下して黒点がほとんど出現しなかった「マウンダー極小期」(1645~1715年)に当たる江戸時代初期の日本は、周期的に雨が多い湿潤な気候になったことが奈良県内で倒れたスギ老木の年輪分析で明らかになった。

 グリーンランドでは寒冷になったことが氷床掘削調査で判明しており、太陽活動の変動が地球の気候に影響していたことが裏付けられた。東京大、名古屋大、名古屋工業大の研究チームが8日までに論文をまとめた。米科学アカデミー紀要電子版に発表する。

 東大大気海洋研究所の横山祐典准教授によると、太陽の日射と紫外線の量は11年周期(マウンダー極小期は14年周期)、磁場活動は22年周期(同28年周期)で変動する。気候への影響については、程度やメカニズムをめぐってさまざまな議論があり、はっきりしなかった。

 マウンダー極小期は、産業革命二酸化炭素(CO2)排出量が増える前のため、太陽活動の影響を調べやすい。研究チームは、国宝五重塔で知られる奈良・室生寺で1998年、台風7号で倒れた樹齢392年のスギなどの年輪を分析した。

 年輪に含まれる炭素14の量から、太陽の磁場活動が低下した時期には、地球に飛来する宇宙線が強くなって空気のCO2に占める炭素14の量が増えたことが判明。一方、酸素16と酸素18の比率から、当時は雨が多かったことが分かった。(時事通信 2010/11/09-07:16)

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これまでの通説では、太陽黒点が少なくなる極小期の地球の気候は、低温・乾燥化すると言われていましたので、この研究結果は、意外でした。

太陽から放射される宇宙線が地球の気候に与える影響やメカニズムについては、まだ、未知の部分が多いようです。