ドイツの電力事情と「e-mobility」

三井物産戦略研究所が、電気自動車の普及に力を入れ始めたドイツの電力事情について、レポートしています。


・欧州において2009年は電気自動車(以下EV)元年と位置付けられるほど、この1年間でEV普及に向けた取り組みが飛躍的に進展した。

・特に、ドイツ政府は2020年までにEVを国内に100万台普及させることを目標とし、8つのモデル地域「Model Regions for E-Mobility」を選定し補助金を拠出、各地で産官学が一体となり実証実験に向けた準備が進められている。

・ドイツでは、風力発電が普及しているが、風力発電太陽光発電と異なり、電力需要の少ない夜間であっても風が吹けば発電する。

・この不安定な風力発電が電力系統に大量に組み込まれつつある状況下、これを「いかに適切にコントロールし安定供給を継続していくか」が電力会社にとって重要な課題になっている。

・官民共同のE-Energyプロジェクトでは、電力会社がEVを活用し、需要を上回って風力発電した際にタイミング良くEVに充電し、反対に電力供給量が不足する際には、EVの車載バッテリーに充電されている電気を電力網に流す「V2G(Vehicle to Grid)」の検証などが計画されている。

・バッテリー技術はEV普及の根幹であると同時に、スマートグリッド、ひいては低炭素社会の在り姿を左右する極めて重要なカギを握っている。

・一方で燃料電池自動車(以下FCV)への取り組みも平行して進んでいることを忘れてはならない。

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スマートグリッド技術の普及を通じて、風力発電とEVを有機的に結合して行くという流れが、ドイツでも進んでいるように思えます。