QDRに見る米軍の環境対応

2月1日に米国・国防総省が「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)を発表しました。


このレポートの内容を分析すると、以下のような特徴が見られます。

1.安全保障上の脅威の順位付け

レポートに使われている特徴的な用語の出現回数をカウントすると以下のとおりでした。

気候変動(climate change)・・・19回
中国(China)・・・11回
イラン(Iran)・・・5回
ロシア(Russia)・・・4回
北朝鮮(North Korea9・・・3回

この順位が示すとおりに、おそらく、現在の米軍は、気候変動による地域の不安定化を、安全保障上、最も重大な脅威だと考えているようです。

また、昨年出回った構想に比べて、対中批判のトーンが弱まっていると言われており、北朝鮮の脅威も低下していると、米軍は見ているようです。

2.米軍のエネルギー転換

今回のレポートの中で、以下のように、石油系燃料からのエネルギー転換を感じさせる記述がありました。

The Navy commissioned the USS Makin Island, its first electric-drive surface combatant, and tested an F/A-18 engine on camelina-based change will require DoD to work collaboratively, through a whole-of-government approach, with both traditional allies and new partners.

・電動式の強襲揚陸艦を製造し、戦闘機(F/A-18)の燃料として、菜種の一種であるカメリアから生成したバイオ燃料をテストしている。

この他にも、ハイブリッドエンジンや水素燃料などの代替エネルギーの利用を推進している記述が見られます。

徐々にではありますが、米軍も、石油依存から脱して、エネルギー転換を図っているようです。