無人宇宙輸送機「HTV」のミッションの重要性


上の動画は、国際宇宙ステーション「ISS」から離脱して行く無人宇宙輸送機「HTV」の様子です。
HTVは11月2日に大気圏に再突入し、約52日間にわたった今回のミッションが無事完了しました。

ISSへの物資輸送は、これまで、米国のスペースシャトル、欧州のATV、ロシアのプログレスが行って来ました。

スペースシャトルが、ISSへドッキングする部分は、CBMと呼ばれている箇所で、大型の実験機器が搬入可能です。

一方のATVとプログレスがドッキングする部分は、ロシア製のAPASと呼ばれている別の箇所で、ここは、主に液体の交換などを行い、大型の機器は搬入できません。

HTVは、CBMに結合することから、スペースシャトルが2010年に退役すると、ISSに大型の機器を搬入できる唯一の輸送機となります。

従って、HTVの成功は、今後のISSの運用にとって、重要な鍵となります。

技術的には、ISSの近傍までHTVを自動で誘導するソフトや、機器に故障が発生しても予備で運用を続ける多重化のノウハウは、日本が他国よりも先行している数少ない技術です。