肥料の埋蔵国別の資源量調査

みずほ情報総研が、肥料の埋蔵国別の資源量および資源開発の可能性について調査を行い、レポートを公表しています。(農林水産省からの補助事業の一環)


埋蔵国別の詳細なレポートで分量も大きいのですが、将来的な肥料の需給を予測する上で、参考になるレポートだと思います。

【資源量】
・リン、カリの資源量は100 年程度あり、枯渇の恐れは少ない。従って資源量が市場に影響を与える可能性は低い。
・大規模な鉱床が開発された場合に影響を与える可能性もあるが、供給者サイドで供給量を制限すると考えられるため影響は出にくい。

【供給量】
・供給量減少は、輸出国による①輸出関税や②輸出制限、③政治不安定化、企業による④生産抑制、⑤自然災害などにより発生する恐れがある。
・供給量増加は、①供給国や企業の増加、②既存供給国・企業による増産、③代替原料の開発により発生する恐れがある。
・代替原料の開発には、下水汚泥からのリン回収、海水からのカリ回収が経済性バランスする場合に可能性がある。

【需要量】
・リン、カリの需要量は、人口増加による食糧需要の増加、バイオ燃料用の需要増加などが考えられる。
・需要量の減少は現時点では考えにくい。

【市場価格】
・市場価格は、供給量と需要量のバランスで決定される。
・供給者が限定される場合には価格がコントロールされる恐れがある。
・また、石油価格の高騰やフレート価格の高騰など原価の上昇も影響する可能性がある。