米・アラスカ州 天然ガスの輸入に追い込まれる可能性が高まる

イメージ 1

JOGMECのレポートから、膨大な天然ガスの埋蔵量を持っているアラスカ州が、政策決定の遅れと価格のミスマッチから、州外から天然ガスを輸入せざるを得なくなるかもしれないという報告です。


・米国アラスカ州は、長年にわたり日本にLNGを輸出してきたが、2011年内に終了予定。
・アラスカでは、豊富な北部ガスを南部の消費地まで輸送するパイプライン建設が1970年代から待ち望まれたが、採算性が見込めず実現に至っていない。近年も本土でのシェールガス隆盛により投資意欲は後退している。
・南部油ガス田からの生産量も減退しており、同州は2014年にもガス不足が発生する恐れ。地元電力グループはLNG輸入を検討開始。Apacheが再開発投資に乗り出したことで、再増産への期待も残る。
・同州は連邦保有地も広がるため連邦政府の政策にも強く影響を受ける。国内エネルギー開発を急ぐオバマ政権は、関係省庁による横断的な連携を促すことで円滑で安全な開発を後押しし始めた。

◆◆◆

上の地図は、アラスカのガス田の開発状況とガスパイプラインの敷設状況です。
石油パイプラインは稼動中ですが、南北を連なるガスパイプラインは、未着手のため、北部のガス田の開発が進まない状況が分かります。

アラスカ州だけではなく、東南アジア、中東や南米などでも、ガス開発投資が間に合わず、LNG輸入によって国内のガス需要をカバーする産油・ガス国が相次いでいます。