英国のエネルギー需給の推移

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The Oil Drumが、深刻化している英国のエネルギーの海外依存に関する記事が公開されていました。


上のグラフは、TODのEuan Mearns氏が作成した、1830年からの英国のエネルギー生産量の推移です。
このグラフで、黒い実線が、エネルギーの消費量の推移です。

1900年から1910年代にピークとなっていた石炭の生産量の増加で、英国は産業革命をリードして、世界の覇権国の地位につきました。

その後、石炭の生産量の減少に伴い、覇権を米国に譲り、1960年代から1970年代に英国病と呼ばれる深刻な時期を迎えました。
この時期には、エネルギー自給率は約50%で、多くを輸入に依存していました。

しかし、その後、北海油田の発見と開発で、1980年代以降、2000年代半ばまで、エネルギー自給率をほぼ100%まで高める事が可能になり、英国は、金融部門の好調もあり好景気が続きました。

しかし、石炭生産量の減少と北海油田の減退で、2000年以降、エネルギー生産量が急減し、再び、天然ガスなどエネルギーの輸入に依存するようになっています。

石炭、石油、天然ガスの減少は続く上に、青色で示される風力などの再生エネルギーの割合は、無視できるほど小さい為、英国のエネルギーの海外依存が、今後、高まる事は、ほぼ、確実です。

貿易赤字が続く英国が、深刻な事態を迎える可能性が高まっていると言えます。